飲食業経験ゼロの宿主、おせちを作る。
年越しで夜通し宴会、のはずが、、、
明けましておめでとうございます。
何とか年を越すことができました。
ただ、、、大晦日はお客さんたちとの年越しが旅人宿の醍醐味なのですが、
誰も来ませんでした・・・(涙)
いろいろ食材も買い込んでたのに・・・
しかし翌1/1の夜は6人の予約が入ってたので、気を取り直して大晦日の昼からシコシコとお正月料理作りました。
基本いつもと同じ考え方
当宿の運営の考え方は以下の通りで、料理もそれに準じたものになります。
・嫌なことはしない
・めんどくさい(ややこしい)ことはしない
・余計なお金は使わない
食事に関してもう少し言えば、「味については期待しないでほしいが、量については必ず満足させる」です。宿主には飲食業に勤めた経験というのが1秒もありません。料理は全て自我流です。大学時代ワンゲル部でカレー作りを覚えて以来、一人ぐらしだったのでちょこちょこ自炊した、それくらいです。
また、保健所の指導で生ものは出せませんし、基本揚げ物は作りません。(油を残してまた使うのがイヤなので)。そんな中でおせち料理をつくりました。お客さんのため・・・というよりは、自分自身で新年を祝いたいという気持ちがありましたので。
料理のラインナップ
1.ちらしずし
宿ではちょくちょく出してる料理です。昆布を入れてごはんを炊き、それとは別にレンコン・人参・油揚げ・高野豆腐を刻んですし酢で煮詰めたものと、干しシイタケ・かんぴょうを甘辛く煮詰めたものを作っておき、寿司酢とごはんに混ぜて扇風機で風を当てながらひたすら混ぜます。上から錦糸卵とさくらでんぷをのせる。
2.栗きんとん
サツマイモを煮詰めて、栗と砂糖と混ぜます(以上)。
本来なら裏ごしするところなのでしょうが、めんどくさいのでそんなことはしません。サツマイモだけで十分なので砂糖は控えめに
3.たたきごぼう
ごぼうを皮剥く→ガラス瓶の底で叩く→2分茹でる→熱いままでゴマ・酢・みりん・しょうゆと和える
4.さといもと厚揚げ煮
お客さんから「福井らしいものが食べたい」とのことで、厚揚げをだし汁で煮ました。翌朝お雑煮食べたいというリクエストがあったので、その付け合わせ用の里芋と人参も一緒に。昆布で出汁を取るのですが、コレも具材になるのでかんぴょうで巻きます。
5.卵焼き
宿の朝食でよくだしまき卵出すのですが、出汁味のものは他にもあるので、卵に砂糖・塩・日本酒を入れてシンプルに仕上げました。
6.かまぼこ →買ってきたものです
7.焼き豚 →買ってきたものです。
8.黒豆 →買ってきたものです。
9.棒鱈 →できたもの買うと高いし、干し鱈から作ると面倒なのですが、大野市内のスーパーで水干し鱈売ってて、そのまま煮込めるので、昆布と醤油と日本酒・砂糖を入れて3時間煮ました。
10.たらの子→福井県民大好きな酒のツマミです(東京から来たお客さんが見たことないと言ってました)これは買ってきたものです。
11.えびす→ 金沢の郷土料理です。寒天を煮て溶かして、卵としょうが汁を入れて冷まします。これも見たことないと言われました。
12.筑前煮→ 自分的にはこれを食べたかったので今回正月料理作ったようなものです。タケノコ、レンコン、鶏肉、ごぼう、こんにゃく、干しシイタケ。人参は金時人参を使います(ちょっと高め)。
13.蕪の千枚漬け
蕪をスライスして塩で揉んで、洗って、酢と昆布と唐辛子と柚子皮入れます。長持ちします。
コスト・手間と満足度が比例するとは限らない
そんなこんなで、海老とかカズノコのような高価な食材は使ってませんし、下ごしらえに時間がかかるようなものは作ってません。
今回、お客さんが求めていたのは「福井らしさ」だったので、家でいつも食べていたものを作りました。十分ご満足いただけたと思います。
食の満足度は豪華さに比例する→そのためにコストと手間をかける、という考え方ではウチみたいな1泊2食付6050円(この日もそうでした)ではあっという間に潰れてしまいます。
また、「彩りが悪い」「盛り付けにセンスが感じられない」という方もいるでしょう。そんなことは重々承知してます。悪いところを必死になって直すつもりはありません。今あるリソースを有効に活用することを考えたほうが楽しいしアウトプットが出ます。センシティブな人はウチというかそもそもゲストハウスには向かないし、来ないほうが自分にとっても他のお客さんにとってもいいと思います。
ウチのことを理解して来てくれるお客さんに満足度を高めるためには何をすればいいか?ウチに来るお客さんは9割は県外からの人です。そして福井は油揚げ消費量40年近く連続で日本一、そばはおろしそばがスタンダード、鶏肉といえば親鶏など、ユニークな食文化があります。だから、普通に福井の食を出してもお客さんにとってはサプライズだと思うのです。
他のこともそうです。大野の日常は都会人の非日常だと考えています。
2025年も同じ方針で宿をやっていきます。
本年もよろしくお願いいたします。