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台湾台北 13度傾いている風水都市を歩いてみる
台北の中心部は13度傾いています。
もちろん、イタリアのピサの斜塔のように建物が傾いているのではありません(笑)
地図を見るとわかるのですが、メインストリートが北へまっすぐ向いているのではなく、東に13度傾いています。
風水に基づいて造られたため、このような不思議な状態になっています。
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風水では北に山があるのが理想とされています。
しかし、台北市の真北には山がありません。
そこで、13度東側にある七星山をバックにしてパワーある街になるよう、傾けて造られました。
台北駅前の大通りも東に13度傾いています。
私はよくここを歩いているのですが、13度傾いていると感じたことはありませんでした。
そこで、今回は傾いていることを実感しながら歩いてみることにしました。
まず歩道橋の上から、台北駅前の大通り忠孝西路を眺めてみましょう。
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ん? ん?? ん???
道路がまっすぐ伸びているだけで、傾いている感覚はまったくありません。
そこで、からだを傾ければ何かわかるかもしれないと思い、右足を軸にして東へ13度傾けてみました。
おっとっと、バランスをくずして倒れそうになってしまいました。
からだを傾けても何もわかりませんよね(笑)
周りを注意深く見ながら歩けば傾いていることがわかるかもしれないと思い、歩道橋から見える赤い門に向かって歩いてみました。
この門は「北門」と呼ばれ、清の時代の姿を残している貴重な城門です。
巨大なターミナル台北駅や日系の百貨店、漢字だらけの看板が並ぶ雑居ビルに挟まれた台湾屈指のメインストリートを歩きます。
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歩道いっぱいに広がり、楽しそうに歩いている人、
スマホに夢中で、下を見ながらのんびり歩いている人、
このような人たちにぶつからないよう左右によけるのが精いっぱいで、
東へ13度傾いていることを観察する余裕はまったくありません。
いつのまにか、北門に到着してしまいました。
今日のテーマである「13度傾いている風水都市」をまったく実感できませんでした。
ここで終わらせると、ただの気まぐれな投稿になってしまいそうなので、台北の城門について少し説明します。
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台北には、清の時代に東門、西門、南門、北門と小南門の5つの門がありました。
日本時代になると、再開発のためすべての城門を撤去することになり、まず西門が壊されました。
「街のシンボルを壊すな!」と城門撤去の反対運動が起こり、ほかの門はそのまま残されることになりました。
しかし、戦後になって北門以外は中国北方の様式に建て替えられてしまい、清の時代当時の姿を残しているのは、北門1か所だけになってしまいました。
台北MRTに、北門、西門、小南門、東門の駅があります。
北門、西門、小南門の駅は、その名のとおり城門の近くにありますが、東門は城門から離れています。東門の駅名は、日本時代に東門町という地名だったことから名付けており、城門の東門が近いということではありません。
南門駅がないことに気が付きましたか?
実は南門にも駅があるのです。
中正紀念堂駅の副駅名になっているので、路線図を見ただけでは気が付きません。
あまりのショックから立ち直れないので、北門の前にあるカフェで休んでから帰ることにしました。
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今回も私の投稿を読んでいただきありがとうございました。
次回の投稿でお会いしましょう。
と言おうと思ったら、
北門に向かって道が不自然に接近していることを発見しました。
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なんだか怪しいにおいがします。
謎を解くためにそれぞれの道から北門を眺めてみましょう。
写真の建物の前の道路(博愛路)から北門を見ると斜めに見えます。
しかし建物の奥の道路(延平南路)から見ると、北門がなんと正面に見えます。
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地図で確認してみると、写真で見た建物の奥の道(延平南路)は東に13度傾いていますが、建物の手前の道(博愛路)は北にまっすぐのびています。
そうです。延平南路は13度東へ傾いているのです。
北門も真北を向いているのではなく、東へ傾いています。
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ついに見つけました。東に13度傾いている場所を。
これでやっと、今日のテーマである13度傾いている場所を紹介することができました。
ノルマを達成したら急に疲れがでてきて、座りたくなりました。
そこで、今後は北門が2階席からきれいに見えるカフェで休むことにします。
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今日はもう歩きたくないので、これで終わりにします。
お付き合いいただき、ありがとうございました。
※2025年1月現在台北北門は修復工事中です。写真は工事前に撮影したものです