わずか150円 台北駅前の白亜宮殿にある豪華絢爛なロビーを鑑賞してみる
台北駅を出ると、道路の奥にまるでギリシャ神話の世界から紛れ込んできたような、白亜の宮殿が見えてきます。
ここのロビーは、足を踏み入れた瞬間おもわず息を飲みこんでしまうほど、豪華絢爛という言葉がぴったりな空間です。
今回は、このロビーをもっと豪華に感じるよう案内してみたいと思います。
日本円でわずか150円(台湾元30元)支払えば、身分や職業に関係なく誰でも自由に見学することができます。
Tシャツや短パンのカジュアルな服装でも、警備員に追い返されることはないので、安心してください。
ここは、国立台湾博物館本館といい、台湾の歴史や文化を紹介している台湾で最も古い博物館です。
日本統治時代に総督府の近くにあった「総督府博物館」を、1915(大正4)年8月にここに移転させ「児玉総督及後藤民生長官博物館」として開館したのが始まりです。
建物を眺めているだけでもうっとりしてしまいますね。
まずは外観を見てみましょう。
ギリシャの宮殿をイメージしてデザインされました。日本の統治になり新しい時代になったことを強調するため、地元の人が見たこともない斬新なデザインを取り入れたそうです。
正面の柱は全部で6本あり、上の方が細くなっています。建物がより高く威厳があるように見せる工夫がされています。
建物は東西に長く、南北は短く作られています。館内の温度が上がると貴重な文物が傷んでしまうので、西日ができる限りあたらないよう西側の面積を小さくしています。風通しをよくするために南側はバルコニーになっていました。
博物館の前は道路がまっすぐ伸びていますね。
以前は突き当りに台北駅がありました。
台北駅から出るとすぐに白く輝く宮殿が視界に入り、あまりの美しさに感動したそうです。
開館した当時、外の階段は大理石でできていました。滑りやすいので下を見ながら階段を登り、中に入って顔を上げると豪華絢爛なロビーにおもわず息を飲んでしまうという仕掛けになっていました。
では、中に入っておもわず息を飲んでみましょう(笑)
いかがですか?
おもわず息を飲んでしまいますね(笑)
まさに豪華絢爛という言葉がぴったりの空間です。
上を向いてください。
天井のステンドグラスがとてもきれいですね。
ここには、第4代台湾総督の児玉源太郎の家紋「軍配団扇に笹」と、民生長官だった後藤新平の家紋「下り藤」がデザインされています。
ロビーの両側に花瓶が置いてあります。
入口を背に左側には児玉源太郎、右側には後藤新平の銅像がありました。
今は3階に展示してあります。
柱のランプを見てください。
高くて見にくいのですが、ここも児玉源太郎の家紋「軍配団扇に笹」と、民生長官だった後藤新平の家紋「下り藤」がデザインされています。
壁や階段の黒いところに触れてみてください。ひんやりして気持ちよく感じます。
これは、岐阜県大垣市赤坂の大理石を使用しています。
大理石は台湾の花蓮が有名ですが、台湾製を使わずにわざわざ日本から持ってきたものを使うことによって、時代が変わったことを強調しました。
2階に上がってみましょう。
同じように壁の黒いところに触れてみてください。
さきほどのようなひんやり感はなく、暖かくてゴツゴツしています。
1914年の第一次世界大戦の影響を受けて物価が高騰し予算が足らなくなったことから、漆喰を大理石に似せて塗ってごまかしています。
同じように見えますが、触ると違いがわかります。
歴史ある博物館の壁をベタベタ触ると怒られてしまいそうですが、ここではぜひ触って違いを確かめてください。
2階の床は、白と黒の市松模様になっています。
黒は岐阜県大垣市赤坂産、白は茨城県産の大理石を使用しています。
ところどころきれいな大理石が紛れていますが、これは最近修復したものです。それ以外は建設当時のものをそのまま使用しています。
今見てもモダンなデザインですよね。
以前は1階の床も同じような作りでしたが、傷みがひどく修復できなかったので、台湾花蓮産の蛇紋岩に変更しました。白と黒の空間に緑が美しく映えています。
次に階段にある丸い窓を見てみましょう。
窓枠の周りには、バナナ、ブドウ、レンブ、パイナップル、スターフルーツ、グアバの6種類のフルーツが彫刻されていて、台湾のフルーツが豊富であることを表現しています。
ロビーの2階を一通り眺めたら、背筋を伸ばしてゆっくり階段をおりてみましょう。この白亜の宮殿にVIPとして招かれた気分になれます。
ここは、日本の博物館とは違って自由に撮影できます。
映える写真を思い存分撮ってください。
(ストロボ、三脚、自撮り棒の使用は禁止です)
今回は、わずか150円で豪華絢爛なロビーを楽しんでみました。
展示物を見なくても十分に元が取れますが、時間があればぜひ展示室にも足を運んでください。
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<参考にした資料>
・国立台湾博物館ホームページ(日本語版)
https://www.ntm.gov.tw/jp/
・国立台湾博物館スマートフォン用解説アプリ(日本語)
・国立台湾博物館本館
日本人学芸員さんの説明
日本人ボランティアガイドさんの説明
・博物館内の展示説明(中国語)
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