バイクを巧みによけながら、台北郊外の寺町を散策
台北駅からMRTで30分ほどの場所にある新荘は、台北付近で最も早く開けたところです。
旧市街は、お寺も多いことから中国語で寺町を意味する「廟街」とも呼ばれています。
日本の寺町のように、しっとりとした風情あるたたずまいとは大きく違い、バイクが行き交いとてもにぎやかで、生活感もあふれています。
日本の寺町をイメージしていくと、あまりにもギャップが大きくがっかりしてしまうかもしれません。
バイクの爆音をBGM代わりにして、
排気ガスを胸いっぱい吸いながら(笑)、
お寺巡りをしてみましょう。
寺町のキーポイント「慈祐宮」
散策の順番にルールはありませんが、まずは廟街で最初にできたお寺、慈祐宮からお参りしてみましょう。
台湾のお寺は、寺、宮、廟などいろいろな呼び方があります。
「寺」・・仏教
「宮」と「廟」・・どちらも道教で、「宮」は位の高い神様
と分けられています
でも、寺も宮も廟も、どれも仏教と道教の神様を祭っているので、違いがよくわかりません(泣)
慈祐宮は台北付近の媽祖を祭るお寺で、もっとも古いものです。
清の康煕25(1686)年に建立しました。日本では江戸時代の5代将軍徳川綱吉が生類憐みの令を発布したころのことです。
とても長い歴史を感じますね。
媽祖は航海の神様ですが、海がないのにどうして航海の神様が祭られているのでしょうか。
お寺からは見えませんが、近くに大きな川があります。
当時はこの川を下って中国大陸と貿易をしていました。
そのため、航海の無事を祈るために媽祖がとても大切な役割を担っていたのです。
お寺をでて見上げると「新荘廟街」と書かれた看板があります。
ここまで来た記念に、この看板は忘れずに撮影しておきましょう。
道路の真ん中は、バイクが容赦なく四方八方からタックルしてくるので(笑)、必ず端の安全な場所で撮影してください。
三国志の関羽を祭る「武聖廟」
次に武聖廟へ行ってみましょう。
ここは、三国志にでてくる関羽を祭るお寺です。真っ赤な顔に長いひげなので、一目見てすぐにわかります。
お寺の門には、たいてい門神と呼ばれる門番の神様がいるのですが、関羽は門神よりパワーが強いので、門神がいません。
さきほどの媽祖を祭っている慈祐宮と門を比べてみてください。
(写真ではわからないので、実際に行って確かめてみてください)
関羽は武道の神様であるほか、そろばんや経理の帳簿を考えたと言われていることから、商売の神様にもなっています。
お金儲けをしたい方は、しっかりお参りしておきましょう。
米を運んだ小道「米市巷」
来た道を戻ると、米市巷と書かれた狭い路地があります。
どこにでもあるような普通の路地なので、通り過ぎないように注意してください。
近くにある波止場に着いた船から、人夫が米を担いで街の中心部へ運んだ小道なので、「米市巷」と呼ばれています。
地元の小学生が描いた絵を見て、当時の様子に思いをはせながら歩くと、人夫の掛け声が聞こえてきそうです。
この狭い道も、台湾名物のバイクが我が物顔で通り過ぎるので、注意しながら歩いてください。
2階建てのモダンな西洋館
路地の突き当りには、モダンな西洋風の家が建っています。
お金持ちの住宅でしょうか?
海外のおもしろいものを紹介するクイズ番組のナレーターになった気分で、みなさんに質問します。
さて、ここで問題です。
この建物は一体なんでしょうか?
次の3つの中から選んでください。
1番、公衆トイレ 2番、むかしの駅 3番、お寺
正解は 3番のお寺です。
寺町をテーマに散策しているので、すぐにわかりますね。
1階は氏神様を祭る「福徳祠」、2階は観音様を祭る「潮江寺」と別々のお寺になっている不思議な建物です。
お寺になる前は、波止場から米を運ぶ人夫が休憩する場所だったそうです。
建物をうっとり眺めていると、バイクがクラクションを鳴らしてくるので、注意してください。
学問の神様を祭る「文昌祠」
車がビュンビュン通りすぎる道を、ひかれないように注意しながらしばらく歩くと、学問の神様「文昌帝君」を祭る「文昌祠」が見えてきます。
台湾のお寺は、入口の柱に一対の漢詩が書いてありますが、ここには何も書かれていません。自信満々に作った詩を、学問の神様に笑われたら恥ずかしいですよね。そのため何も書かれていないのです。
ここには、学問の象徴である「敬字塔」が残されています。むかしは、文字が書かれた紙は尊いものとされ、いらなくなったらこの敬字塔で燃やしていました。
街を守る「新荘福徳祠」
車の通行をわざと邪魔するように、道路にはみだして建っているお寺「新荘福徳祠」があります。
とても小さなお寺ですが、神様がこの街を見守るために、わざわざ道路にはみ出して建っているのです。
道路の先まで見渡すことができるように建っているお寺があったら、むかしはここがメインストリートだったことを意味しています。
新荘福徳祠のすぐ近くに国宝級のお寺がありますが、私が説明できないので、素通りします(笑)
ぺしゃんこになった パイナップルケーキ
慈祐宮の近くに、珍しいパイナップルケーキを売っているお店があります。
むかし、神様にお供えするとき、お金をある人は金を用意しましたが、お金がない人は金に似せてつくった、このパイナップルケーキを用意したそうです。
ここでは、金に似せてつくったぺしゃんこなパイナップルケーキを売っています。
おなかがいっぱいでも食べることができる量なので、食べ歩きにもピッタリです。
次から次へと襲ってくる、バイクを巧みによけながらの寺町散策
台北から気軽に行ける場所なので、ぜひ体験してみてください。
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参考にした資料
・新北市觀光旅遊網 新莊廟街商圈 (中国語)
・微笑台灣
新莊廟街必買名產 鹹光餅、金牌鳳梨酥,「老順香餅店」台式糕餅飄香百年
(中国語)
・中華民國自然步道協會
新莊廟街 (中国語)
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