【台北 101ビル付近】 キラキラ輝く未来都市を地味に散策してみる
台湾で最も高いビルとして知られている台北101ビルがある場所は、「信義地区」と言われ、人工的に整備された街です。
高級ブランド品のショップや、A級グルメのレストランが立ち並び、人生の勝ち組しか近づいてはいけないような空気が漂っています。
今回は、このキラキラ輝いている街で、できるだけ目立たないように地味に散策してみようと思います。
台湾名物ダッシュする信号発祥の地
台湾の歩行者用信号は、赤になる前にダッシュするかわいいデザインで、今では台湾の名物になっています。
あまり知られていないのですが、この信号の発祥の地が101ビルのすぐ近く、松壽路と松智路の交差点にあり、誕生の由来が書かれています。
ダッシュする信号発祥の地 台湾現地の報道
中国語のみですが、雰囲気を感じてください。
このダッシュする青信号は、台湾では「小緑人」と呼ばれ親しまれています。
しかし、誕生の由来にはみんな関心がないようで、見向きもしないで通りすぎて行きます。せっかく説明も用意したのに、地味な観光スポットになっています。
この「小緑人」は、1999年に誕生しました。信号にカウントダウン機能をつけて赤になるタイミングを分かりやすくしようと、台北市で3種類用意して試験的に設置しました。
そのうち、この交差点に設置したものが評判が良かったので、台北市内各地の信号につけたところ、わかりやすいと好評になり台湾全土に広がっていきました。
この小緑人は、2万歩歩くと転ぶという都市伝説があり、たまにニュースになっています。単なる故障なのですが、それでは夢がなくなってしまうので、「転んだところを見たら幸せになれる」ということにしておきましょう。
台湾映画『1秒先の彼女』のロケ地
映画『1秒先の彼』が公開されたようですね。
『1秒先の彼』 公式サイト
この映画は台湾映画『1秒先の彼女』の主人公を男女入れ替えてリメイクしたものです。
『1秒先の彼女』 公式サイト
台湾オリジナル版のクライマックスのシーンは、「小緑人」が誕生したこの交差点で撮影されました。しかし、ロケ地として紹介されることはあまりなく、この点でも地味なスポットになっています。
ここで撮影したのは、時間が止まり主人公だけが動いているシーンです。
この道路を午前4時から午後1時まで通行止めにして、スタッフ約100人、エキストラも約100人動員して撮影されました。
エキストラは監督がOKを出すまで動いてはいけないので、かなり大変だったようです。
撮影時の様子が、映画の予告編になっています
中国語のみですが、イメージは伝わると思います。
絵本から飛び出してきたようなバス
次に、とっても地味な場所へご案内します。
101ビルの斜め前に、まるで絵本から飛び出してきたようなバスが停まっています。
これは「月亮公車(お月様のバス)」と呼ばれ、台湾で有名な絵本作家「幾米(ジミー)」の『月亮忘記了(お月様は忘れちゃった)』という作品にでてくるバスを再現したものです。
「絵本から飛び出してきたような」ではなく、本当に絵本から飛び出してきたものなのです。
『月亮忘記了』は、『君といたとき、いないとき』という題名で日本語にも翻訳されています。
こんなにキラキラした場所なのに、どうして地味な場所と紹介したの?といわれそうですね。
ここは、とっても地味(ジミー)な場所ですよ。
みなさんが鼻で笑っている姿が想像できるので、話を先に進めましょう。
夜になると、とてもキラキラ輝いた場所になります。まったく地味ではありませんね。
夜になると、街全体がキラキラ輝く
この街は、夜になると宝石箱をひっくり返したように、街全体がキラキラ輝きます。
歩き疲れておなかがすいても、レストランを覗くとお値段は宝石のようにキラキラ輝いています。
地味に散策するには、この街から早く撤退するのが良さそうです。
財布にやさしい夕食は夜市へ
101ビルから20分ほど歩いたところに、臨江街(通化街)夜市があります。
ほかの夜市と同じように、ゴチャゴチャした庶民的な雰囲気で、今までのキラキラ輝く街を歩いていた緊張感が一気にほどけて、ホッとした気分になります。
ここのお値段は、キラキラ輝くほどではありません。肩の力を抜いてリラックスして好きなものを食べてみてください。
今回の地味に散策する旅は、これで終わりにします。
おつきあい、ありがとうございました。