台湾の東大、台湾大学に無事入ることができた喜びをnoteに記す
台北MRTの公館駅で降りてしばらく歩くと、きれいに整備されたヤシの並木道に出る。
まるで絵に描いたような、南国のイメージそのもの。
行き交う人は楽しそうに、軽快な足取りで通り過ぎていく。
心地よい風が吹き、時間がゆっくりと流れていく。
しかし、ここにたどり着くには、難関を突破しなければならない。
並木道の入口には、守衛室がある。
ここはふつうの並木道ではない。台湾大学のキャンパスなのだ。
台湾の東大ともいわれる、台湾の最高学府だ。
この関門を無事に通り過ぎないと、南国の心地よい空気に身を任せることができない。
台湾大学の学生のフリをすれば通れるか?
どう見てもおじさんの年齢なので、ゼッタイに無理だ。
教授のフリをすれはいいかも?
いや、顔を見れば聡明ではないことがすぐにバレてしまう。
ダッシュで強行突破。
後で捕まったら、面倒なことになりそうだ。
左手に持っていたタピオカミルクティーの最後の一口をチュルチュルと吸ったら、名案を思い付いた。
そうだ、観光客のフリをしよう。
守衛に話しかけられたら、
「アイ キャント スピーク チャイニーズ」
と、ジャパニーズイングリッシュで返せば、中に入れてくれるかもしれない。
我ながら良い方法を思いついたと感心しながらも、目立たないように背中を丸めて、恐る恐る守衛室を通ってみた。
守衛は何も声をかけてこない。
「何をしに来たのか?」とも
「身分を証明するものは?」とも
何も聞いてこない。
これはいったいどういうことなのか?
ヤシの木に身を隠し、難関を通りすぎる人々を観察してみると、みんな涼しい顔をして、何事もなかったかのように通り過ぎていく。
なーんだ、誰でも自由に入れるんだ!
あまりの拍子抜けに、近くにあるベンチに座り込んでしまった。
さっきまで、車やバイクが、騒音と排気ガスをまき散らしている街にいたのに、まるでリゾート地に迷い込んだような感覚だ。
緊張のあまり、からだが氷のようにカチカチに固まっていたのが、少しずつ溶け始め、周りが見えるようになってきた。
初めて来たのに、記憶の片隅に残っているセピア色の画像が、総天然色の3Dで再現されたような光景が広がっている。
この台湾大学は、日本統治時代に台北帝国大学として開校し、当時の建物が今でも残っている。
さらに、ヤシの並木道は、もとからあったのではなく、大学を設置するときに日本人が思い描く南国のイメージを再現したものだ。
そのため、絵に描いたような南国のイメージそのものの世界が広がっている。
行き交う人は楽しそうに、軽快な足取りで通り過ぎていく。
心地よい風が吹き、時間がゆっくりと流れていく。
ヤシの並木道には、台湾大学の歴史を紹介する「校史館」がある。
日本統治時代から図書館として使用されていた建物で、歴史を感じることができる。
学生になったつもりで、学校の歴史を学んでから帰ることにしよう。
台湾大学のキャンパスに問題なく入れた喜びを分かち合いたく、noteに記してみた。
入学したのではない。
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