[感想]「会社辞めたい」ループから抜け出そう! 転職後も武器になる思考法
発売日:2022/1/7
もっと早くこの本に出会いたかったです。早く出会っていればまた違っていたかもしれません。社会人の皆さんに読んで欲しいと思います。
私は4回転職をしています。
振り返ると「転職だけ」成功したケースもありました。転職後も成功したケースもありました。妻子がいる状態で転職経験もあります。早期離職をした経験もあります。メンタルダウンした経験もあります。
今の時代は「キャリアを自分で作る」だとか「好きなことをやる」だとかいろんなキラキラワードが出てきています。その上で定年が65歳と伸びており、今後も伸び続けそうな気がしているのは私だけでしょうか。
"企業寿命 < 就業期間" となっているそうです。定年まで勤め上げる従来の世界観は、統計上はもはや難しいのかもしれません。
働き方も副業・複業、起業、フリーランスなどと多様化してきています。
つまり、どんな理由であれ職業人生の中で1度は転職を経験することになる可能性が極めて高いです。そういった世界観の中で職業人生を送っているということを認識しつつ「敢えて現職を続ける」という選択肢ができたら非常に素晴らしいと思います。もちろん、納得した上で外に機会を求めるという意思決定もありだと思います。
初めて転職される方にとってはかなり勇気がいる大きなイベントではありますが、複数回転職を経験してしまうと比較的身軽に動けてしまいます。無駄に職歴が増えてしまい、辞め癖がついてしまいます。
こういった事情から、この書籍で紹介されているように「本音」を理解せずに転職を繰り返してしまうことが実際に起きてしまいます。私自身がそうです。繰り返せば、繰り返すほどに、転職が難しくなっていきます。
私自身、この書籍が数年前に発刊されていたら、また違った結果になっていたな・・・と思うことがありました。
そのため、皆さんにとって「良い意思決定」となるように、この書籍をぜひお読みいただいて、3つのツールを使って作業してみることをお勧めします。
WHY / 書籍の目的
「転職(だけ)成功」する転職ではなく、「転職(後)も成功する」転職を目指そう。
本書は内定をとることを目的にするのではなく、転職後の人生がより輝き、転職が人生を好転させるきっかけになることを目的にしているのです。
皮肉にも、「会社を辞める」を目的にするからこそ、「会社辞めたい」ループに陥ってしまうのです。
HOW
転職活動に〝本音で挑んでいるかどうか〟
本書でお伝えするのは、「会社辞めたい」と思っている人が、転職をきっかけに人生を好転させるために、感情的な本音を思考で整理する方法なのです
本音を磨く作業
ネガティブな感情をコントロールする
以下の3つのツールを紹介している。
* 退職成仏ノート
* 人間関係の仕分けノート
* 明日への手紙
本音とは
* 感情的なもの
* 普遍ではなく、変わり続けるもの
* 自身の考えと他者・環境による考えが混在しているもの(その中での自身の考えと他との境界線を見つける作業をすることで自分を取り戻せる)
* 本音は複数ある
-> 家族との時間を大事したい自分と、仕事に没頭したい自分の二つがあっていい。どちらも本音・どちらも本当の自分。最後にどちらを優先するか、どうバランスさせるかだと思う。
-> 唯一無二の本音が存在しているわけではない。常に複数ある。
本音が磨き終わった状態とは
〝本音磨き〟を終えた状態とは、自分の軸が定まった状態です。
本音の見つけ方 #1
「誰か」の気持ちを描くことで、自分の意識下にあった気持ちに触れることができた。(『宇多田ヒカルの言葉』P9)自分の気持ちや悩みは自分だけを見つめると、かえってわからなくなることがあります。でも、他人の気持ちや悩みを知ると、「自分はどうだろう」と、モヤモヤの正体を特定する近道になるのです。
独りで考え抜いたところで、自身の本当の気持ちはわからない。余計わからなくなってしまう。私自身がそうでした。考えれば考えるほどドツボにハマっていく。結果、迷子になった経験が何度もある。迷子のまま転職してしまったこともある。そこで大事なのは、他の人たちの悩みを聞くことだった。ここは盲点であり、まったく気づかなかった。
本音の見つけ方#2
ブレてぶれて、ブレまくって生きるのが人生だし、最初から一直線に生きられる人間なんて誰もいないですよ。(引用:『ROCKANDREAD087』P179)私たちはもっとブレていいのです。今ブレないように見える人も、「ブレている自分」を認めブレた過去を経て今があるのでしょう。だから「ブレてみよう」と思い切ってみる。その後に「ブレても戻ってこれるしなやかな自分」になれます。
マネジメントコースとスペシャリストコースのどちらでいくか悩んだ時期があった。どちらも50%くらいずつこなしていたので、どちらが自分に合っているのか、どっちをやりたいのかあまり考えずに仕事をし続けてしまっていた。ある時、決断を迫られるような状況に陥った際に、相当悩んだ。
決めて進んだ結果、違っていたことに気づく。
私にとって何が大切なことなのか・・・。
どこかの国の諺で、以下のような表現があったことを思い出す。
どんなに進んだとしても、間違ったと思ったら引き返せばいい
(出典が不明・わすれてしまった)
そう引き返すことにした。引き返す中でもいろいろな葛藤があったが、戻る選択をとれてよかったと思う。
本音のみつけかた#3
モヤモヤループの根本原因は、自分の過去を掘り下げていくことで見えることがよくあります。それは、一見すると暗い過去かもしれませんが、偽りのない自分の本音でもあります。今感じているネガティブな感情も、あまり思い出したくない過去も、クリアな本音を知る最大のヒントになるのです。
ネガティブな感情を曝け出していく作業は、辛い作業です。
ふとした時に出る「愚痴」は本音の一部かもしれません。そのような発言を切り口にして、掘り下げていくことで、よりクリアになっていくと思います。
転職活動とは
どこまで行っても自炊
エージェントは非常に便利な存在であるが、人生の水先案内人ではない。
転職後の自身の人生や生活までは責任を負わない。あくまでも人生・キャリア選択は自己責任であることを忘れてはならない。
転職エージェントが便利になったからこそ、より自分自身にとって何が重要なのか・何をしたいのか、どうしたいのかを磨いていかないと無駄に転職を重ねることになることを忘れてはならない。
一次情報の大切さ
「面接や企業とのメールや電話のやりとり」で浮かんだ感情、つまり一次情報の方がはるかに大切です。その一次情報を逃さないために、本音磨きはあります