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クリスマスの下北沢で、ド直球の恋愛モノを見た

この140文字にすべてを込めることができなかったので、もう少しだけ。
演劇の街・下北沢で、こわっぱちゃん家『余白の色彩』を見てきました。
(以下、作中のセリフの引用を含みますので、これから鑑賞される方はご注意を!)

ド直球の恋愛群像劇

この時期、クリスマスや年の瀬ならではの作品かもしれません。
独身男性にはなんとも勇気のいる観劇だったのですが、それを差し引いても劇場で直接見られてよかったです。

先述のとおり、テーマは"恋愛"一本。とてもシンプル。飲み込みやすい。
それでも群像劇なので、いろんな恋愛の形、色合いが見られます。
恋愛をあまり知らない男女、同棲している幸せカップル、結婚してから時間の経った夫婦……さまざま。
登場人物の誰かと、観客自身の恋愛経験が結びつきやすいのも、群像劇ならでは。とてものめり込める作品だなと思いました。

セリフが正しいかわかりませんが、個人的に共感したのは……
「彼氏じゃなくて、俺を見てくれよ」って言葉かなあ。
いや、「向き合うんじゃなくて、一緒に前を見たい」って告白もよかったな。
「熱されればキタイが上昇し、冷めればコタイ(コタエ)が凝り固まる」って表現も面白かった。

……選べません。
好きだとか、付き合うとか、彼氏彼女とか。
恋愛ってシンプルだけど、答えが一つじゃない分、難しいですね。

キョロキョロする楽しさ

直接見られてよかったと思う理由のひとつに、「とても細かい群像劇だから」というのがあるかもしれません。
今作にはオンライン配信も用意されていますが、個人的には劇場で直接見る価値がとても大きい作品だと思います。

お芝居は大きく二分された舞台で展開され、同時多発で会話が進みます。
照明の当たっていない暗がりで、静かに会話する様子に注目するのも面白かったり。
本筋の会話を耳で聞きながら、影になっているやりとりを見てたり。
オンライン配信、カメラ越しだとまた違う見え方になる気がしますが、どうなんでしょう?

こんな時代にこそ、原始的に

今作は、こんな時代・こんな時期だからこそ見られてよかったなとも思っています。
作中の時代がいつなのかは明言されませんが、登場人物は全員マスクかマウスシールドをしており(作中で描かれるのが飲食店だから)、現代、それも今からそんなに遠くないということがわかります。

恋愛の形とか、大切な人との距離感とか……
難しい現代なんだけれど、「恋愛」という原始的なテーマに迫った作品だったなあ。人を描くってこういうことですよね。
ひとりの観客としても、劇作の観点でも、大変勉強になりました。

以上、こわっぱちゃん家『余白の色彩』の観劇録でした!

こわっぱちゃん家の作品を見るのは、何作目でしょうか。
2016年の作品、YouTuberをモチーフにした『次回作!』からで、個人的に小劇場をまったく知らない頃に見たのでした。
そんなきっかけをくれた劇団のひとつ。最新作は特に"好き"な作品でした!

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尾崎 太祐
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