採用に困っている中小企業が、まず最初に手をつけなければならないことなのに、誰も教えてくれないこと。
こんにちは、採用コピーライターのたいすくです。
エン転職という転職サイトで、14年間、超大手企業から郊外の町工場まであらゆる企業の採用を4000件以上成功させてきた私が、成長意欲のある中小企業の経営者・採用担当者に向けて自社の採用力UPのための有益な情報を発信していくnoteシリーズ。今回は、「採用に困っている中小企業が、まず最初に手をつけなければならないことなのに、誰も教えてくれないこと」についてお話しします。
こんなことでお悩みではありませんか?
転職サイトで掲載してみたけど、かけた費用の割には応募が来ないし、応募してきた人の質も良くなかった。いろんなサイトを試してみたけど、どこも似たり寄ったりの結果に。もっと効果を出すためには、予算をかけて露出を増やしたり、スカウトメールを打たなければならないと言われた。自社の採用サイトを作ってみたけど、応募はまったく来ない。とはいえ、定期的に人を採用しなければならないので、人材紹介会社を使ってそれなりの人が採れるけどお金がかかりすぎる…。
このようなこと(↑)に心当たりがあるとしたら、御社がまず最初にやらなければならないのは、【採用コミュニケーションの基礎知識を身につけること】だと私は思います。
採用コミュニケーションとは?
採用コミュニケーションとは、その名の通り、「採用におけるコミュニケーション技法」のことです。
このように書くと、コピーライティングやマーケティングの専門技術のことを想像するかもしれませんが、そんな難しいことではありません。分かりやすく言えば、「相手にどう言えば、こちらの言いたいことが伝わるか?」というコミュニケーションの考えかたです。
採用が上手くいっていない中小企業は、採用におけるコミュニケーションを軽んじている、もしくは意識していません。
知らないとカモにされるという現実!
採用におけるコミュニケーションを軽んじている、もしくは意識していない中小企業の経営者・採用担当者の特徴は明らかです。転職サイトや広告代理店の営業から制作物が上がってきた報告を受けたときに、それが正しいのか間違っているのか、自分たちで判断ができません。この状態がとてもよくないと思います。
「プロに任せる」といった言葉で誤魔化して提案をそのまま受け入れたりしていませんか?結果が出た後、自分たちで改善策を考えられていますか?「専門的な仕事は専門業者に任せる」という判断は間違っていませんが、自分たちに判断軸がなく、あまりにも相手に依存しすぎている状態は健全とは言えません。
この状態の一番の問題点は、自社に採用ノウハウが蓄積されないことです。
それはつまり、採用に関しては外部企業に任せ続けるしかなく、お金を吸い上げられ続ける――つまり、カモにされ続けるという宿命を受け入れることになります。
採用コミュニケーションを身につけるメリット!
採用コミュニケーションを身につけることで何が変わるのか。
まず、“判断軸”を持つことができます。転職サイトや広告代理店の営業から制作物が上がってきたとき、その訴求(広告で伝えようとしていること)が有効かそうじゃないか、自分たちで判断ができるようになるのです。
続いて、それによってターゲット設定やメッセージングについて、業者の言いなりではなく、議論を交わし、要望を突きつけることができるようになります。つまり、業者にとって“ちょろい客”でなく、“採用コミュニケーションを分かっている顧客”と認識され、いい加減ではなく、真剣な仕事を引き出すことができるようになるのです。
一番のメリットは、失敗を“資産”に変えられるという点でしょう。採用コミュニケーションとは、要は「“伝える”とはどういうことか?」という考え方です。採用コミュニケーションとは、「誰に」「何を」「どうやって」伝えるかを考えて、反応を分析して、改善して磨いていくもの。例えば、ある求人媒体を利用して、あまり成果が出なかったとします。その事実に対して、「あの媒体では人は集まらないね」という結論を出していては、失敗は失敗でしかありません。ターゲットが悪かったのか。メッセージングが悪かったのか。クリエイティブが悪かったのか。結果が伴わなかった原因を仮説でも把握することで、はじめてその失敗は資産になります。
失敗の原因分析は業者に任せてはいけません。なぜなら、業者は自分たちにとってマイナスになる分析結果を顧客に伝えることはないからです。つまり、原因分析は自分たちで行なうしかなく、そのために必要なのが採用コミュニケーションという考え方なのです。
採用コミュニケーションでもっとも大切なこと!
では、採用コミュニケーションはどうやって身につけられるのか。難しいことではありません。それは、「コミュニケーションしたい相手(ターゲットとなる求職者)のことを知ること」で身につけることができます。
どういうことか、例を挙げて紹介しますね。
例えば、あなた自身がとても面白かったと思う映画があって、それを他の人にも観てもらいたいと思ったとします。1人はお母さん。もう1人は友人。この2人にその映画を観に行きたくなるような伝え方をすると思います。たぶん、お母さんと友人に、一言一句、同じ伝え方はしないでしょう。お母さんにはお母さんが興味を持ちそうな部分をピックアップして、友人には友人が興味を持つそうな部分をピックアップして、映画を観に行くという行動を取らせようとすると思います。
人に行動を促すのはとても難しいことです。普段から従業員に行動を促している経営者や人事担当の方なら、その苦労はご存じのことだと思います。だからこそ、いかに興味を持たせて自分事と認識させるか。これがポイントということもお分かりでしょう。
採用も同じです。
この質問に答えられますか?
あなたは、自社の採用で欲しがっているターゲット求職者が、
今、もっともかけられて嬉しい言葉を言えますか。
この質問に答えられる企業は採用が上手くいっています。答えられない企業は採用が上手くいっていません。
この差は何なのでしょうか。
「自社の採用で欲しがっているターゲット求職者のことを、どれだけ本気で知ろうとしているか」です。
好きな異性の気を引こうとプレゼントを贈ろうとしたとき、その相手が喜んでくれるように、相手が欲しがっているものを知ろうとするのは当然のことです。「女って生き物はな、これを贈っておけば大体OKなんだよ」という思考の人が異性からモテないことはお分かりいただけるかと思います。
しかし、採用が上手くいっていない中小企業は、得てして、求職者に対してこれと同じことを行なっています。
御社の求人になんか、誰も興味がない!
「求人票」や「求人広告」を出しさえすれば応募が来る。そう考えている中小企業の経営者や人事担当者の方がいらっしゃいます。それは、20年以上前の感覚で時代遅れです。
御社の求人になんか、誰も興味がありません。興味があれば応募は来ているし、採用だって上手くいっているはずですからね。
これ、大切なことなので覚えておいて欲しいのですが、求職者の立場からすると、仕事選びの選択肢はたくさんあるので、わざわざ御社の求人を選ぶ理由がそもそもないのです。今、採用が上手くいっていない中小企業で、求人票や求人広告を出しても応募がまったくない企業は、世の中の求職者から選択のテーブルにあげられていない状態にあります。眼中にない。そういう価値の企業・仕事と思われているのです。
まずは、この事実を受け入れてください。
そして、安心していただきたいのですが、求職者が御社の求人に興味がないのは、御社や御社の仕事内容に魅力がないからではありません。
求職者に御社や御社の仕事内容の魅力を理解する知識がないことと、御社に自分たちや自分たちの仕事の魅力を伝える努力が足りないことが、今の状況を作ってしまっているのです。
今の状況を打破するためには、まず求職者目線に立つ必要があります。求職者を取り巻く就職状況についてお話ししていきますね。
求職者だって悩んでいる!
かつて、求職者の就職活動・転職活動は専門雑誌で行なわれていました。それが2000年代に入ってインターネットの専門サイトを使うことに替わり、2017年以降はスマホが使われるようになっています。
ここでお伝えしたいのは、求職者の使用する就職ツールが変わっただけの話ではなく、それによって企業側が発信する就職情報がどんどん増えていった、ということです。これは就職活動にかぎった話ではありません。
昔は、みんなで食べに行くお店を探すとしたら、タウンページの店名であたりを付けるか、雑誌で紹介されている情報を頼っていました。今では、ネットで調べればお店のホームページが出てきて、どんな雰囲気のお店で、どんなメニューがあって、価格帯まで知ることができます。採用においては、これが就職サイトへの掲載だったり、自社の採用サイトにあたるわけです。
なぜ、情報が多いことが支持されるのか。それは、ユーザーに「失敗したくない」「選択を誤りたくない」という思いがあるからです。だからこそ、情報を集めて判断しようと思い、出している情報が少ないところは選択テーブルから外します。
では、なぜ、ユーザーは「失敗したくない」「選択を誤りたくない」という思いを抱いているのか。これは諸説あるのですが、1つは経済的に貧しくなったからです。豊かな時代は「1回くらい失敗しても笑い話になるからいいや」という余裕が人々にはありましたが、貧しい時代の今は「せっかくの1回なのだから絶対に損をしたくない」という人が増えているんですね。
就職について話を戻すと、
かつては「終身雇用」という神話があって、我慢して勤め上げればそれなりの人生を送れることが保証されていました。それが、バブル崩壊、リーマン・ショックがあり、会社は倒産するし、リストラもするということが明白になり、日本の終身雇用神話は崩壊。「我慢して勤め上げていてもそれなりの人生を送れないのなら我慢する必要なんてない」という心理になっているのです。
よく中小企業の経営者様が「最近の若者はすぐ辞めてしまうね」とおっしゃいますが、昔の若者はガッツがあり、今の若者はガッツがないのではなく、昔は我慢するだけの価値があった、今は我慢する価値がない、というのが実際のところなのです。
企業に滅私奉公しても報われないことを知っている求職者は、「それだったら自分の意志でやりたい仕事をする」という心理になってきているのですが、ここに大きな問題が1つあります。
求職者は、世の中にどんな産業があり、どんな職種があり、自分がどんな仕事に向いているのか、まるで知らないということです。
だから、就職サイトや転職サイトを見る目は、「どんな産業やどんな職種があるのか知りたい」という目線ですし、キャリアアドバイザーに相談するのは、自分がどんな仕事に向いているのか分からないので教えてほしいという思いがあります。
ところが、多くの企業がこの求職者の状況を理解しておらず、求職者が求めている情報を提供できていません。ゆえに求職者から「情報が少なすぎるので検討する価値がない」と判断されてしまっているのです。
今できていないことは、伸びしろである!
ここまでこのnoteを読んでいただき、ありがとうございます。
「学びがあった」「その発想はなかった」という感想をお持ちいただけたのなら幸いです。厳しいことを言ってきましたが、現在「できていない」ことは、これからやっていくことで効果が上がる伸びしろです。まずは現状にきちんと目を向けることからすべては始まります。
私はエン転職在籍時、4000件以上の採用成功を実現してきました。その多くが中小企業です。成功体験と失敗体験をもとに、採用コミュニケーションにおける勝ちパターンを確立した私に言わせれば、どんな地域のどんな中小企業でも応募を増やすことはできるし、採用成功させることはできます。しかしそれは、「変わる」「変える」勇気がある企業様にかぎります。
現在、私は株式会社think shiftという会社で、成長意欲のある中小企業の経営者に限定した採用コンサルティングを行なっています。
私のnoteでは、成長意欲のある中小企業の経営者・採用担当者に向けて自社の採用力UPのための有益な情報を発信していきますので、興味のある方は定期的にチェックしてみてください。
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