【観劇レポ】真理を体感する ミュージカル「ライオンキング」
観劇レポ、2024年のラストです。劇団四季「ライオンキング」を観に行きました。観劇納めかつ遠征納め。
ミュージカルと言えば!な代名詞的作品にも関わらず、実は初見。ティモンとプンバァが公演地の方言でしゃべるので、関西で観たい気持ちが大きく、観るのをためらっていたのです。
でも、いつまで経っても関西に来てくれる気配がないのでね!!!(アラジンとアナ雪もですが)。丁度いいセンターブロックが奇跡的に空いていたので、これは観るしかないと、観劇を決めました。ちなみに東京公演では、ティモンとプンバァは下町言葉(べらんめぇ)です。
キャストはこちら。ちなみにお席は4列目センターブロック。通路席だったので、動物たちやハイエナたちが横を通ってくれます。
まず、初っ端の「サークル・オブ・ライフ」から号泣。
CATSしかり、ブロードウェイ作品および劇団四季作品における、人間が動物を表現するときの所作と呼吸(空気感)は、卓越したものがあると思うのですが、まさにそれを体感。人間も生物だなと思う一方で、人が生き物を演じる限界点に挑む姿すらも感じる。舞台装置や美術も比較的シンプルなので、人の動きがより映えるのですよ。
サバンナに生きとし生ける生命の鼓動。その鼓動から感じるのは、生命の正しき流れ、生物としての運命、生と死、種の保存…それらを僕の知る言葉で表現するなら、「真理」というのでしょう。あるいはアカシア。あるいは宇宙の理。
ハガレンでいう真理の扉を開いたような、脳に真理が流れ込むような感覚すらありました。
独身かつ人間関係もほとんど皆無の、すなわち真理から遠いところに在る僕には、その真理は残酷なものでもあるのですが、それは一旦棚に上げ、宇宙に触れさせてもらった、そんな感動がありました。
ストーリー自体は、サバンナに生きる動物たちの物語。特にその生態系の頂点に君臨するライオンを通して、支配者の矜持、親子愛、生命を繋ぎ受け継ぐという営み(本能)、罪責と自由など、シンプルな物語の中にたくさんのテーマが詰め込まれています。王の孤独と愛への飢え(スカー)もいいエッセンスです。
子どもの頃、家にあったビデオ(VHS)で何回も観ていた作品なので、こんなシーンあったなぁ!と懐かしさも感じました。
シンバとナラがザズを撒くシーン(早く王様になりたい)、スカーがハイエナたちを従えるシーン(覚悟しろ)、ムファサを襲うムーの群れ、ハクナ・マタタ、成長したシンバとラフィキの対面など、幼いころの記憶とリンクして、あっという間の時間でした。
ラフィキやザズも適度に笑わせてくれるし、ムファサとシンバの会話はしんみりするし、改めて観るとエンタメとしてわかりやすくよくできた作品やなと思います。ザズがアナ雪の「Let it go」歌い出したのは不意打ちでした。
ちなみに巷で有名な「心配ないさ〜」のシーンは、実は一瞬なんですよね。ヤングシンバの退場とシンバの登場という良い見せ場シーンの。
キャストさんたちはほとんどが初めましてだと思います。
ヤングシンバの長谷川楓くんは、たぶん変声期が近づいているんだろうと思います。個人的には、それがヤングシンバのエネルギーや若さに良いアクセントとして観れたのですが、もしかするとそろそろ卒業かなぁ。谷で遠吠えの練習をするところ、まさに映画で観たシンバそのものやった。
成長したシンバの橘さんは、最近シンバデビューされたらしい。シンバに選ばれるだけあって、歌いながらアクロバティックな動きを卒なくされていて、かっこよかった。
ナラ役の林愛夏さんは、木下晴香ちゃんと声質がそっくりで、最初のセリフでびっくり。ナラのキャラクターもありますぎ、凛とした感じでとても素敵だった。
というわけで今年最後の観劇レポでした。
ちなみに終演後、舞台装置のトラブルで一部演出を変更した旨のアナウンスがありましたが、初見の僕には全くわかりませんでした。どのシーンも違和感なかったけど…それだけ、カンパニーが素晴らしいということの証左ですね。
念願だったライオンキング、ようやく観れて、観劇納めとしても大満足でした。でも願わくば、はやく大阪か京都へ来て!!関西弁のティモン・プンバァを観たい!!
…ので、劇団四季さん、よろしくお願いしますね!!