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日本のIT人材の51%は文系出身という話

菅内閣が重要政策としてデジタル化を大きく打ち出して以来、日本がデジタル化で後れをとっているという話が毎日のように各種メディアの記事などで取り上げられています。そこでは、デジタル化のための人材が大事だ、ということが共通して言われているように思います。

私自身もやはり同感ですが、人材についてはそもそもメンバーシップ型雇用の中で、ICTの専門家が雇えないという根本的な問題があることを以前の記事で書きました。

先週話題になっていたこの記事にも、心の底から共感するところです。

そのような中で、今の日本のICT専門家とはどのような人なのか?ということについて、内閣府が出している経済財政白書に興味深いデータがありました。特徴的な点として、日本のIT人材の51%は、最終学歴における専攻が文系とのことです。

米国も43%が文系ですので、そのこと自体はそんなに不思議な数字ではないのかもしれません。

それでも、米国の場合、情報工学・情報科学が44%で最多となっています。このように情報工学・情報科学を最終学歴の専攻としているIT人材は、中国で62%、韓国で58%、一方で日本は23%となっています。

これは日本の組織のメンバーシップ型雇用と大きく関係していると思われるものの、そもそも日本では情報系の学生が少ない、大学で教えていることと仕事の内容にミスマッチがある、といったこともよく言われます。大学や大学院は決して就職予備校ではないとしても、時間とお金をかけて大学・大学院で学んだことが仕事にあまり活かせていないとすると、学ぶ人にとっても社会にとっても非常に勿体ない気がします。

政策としてデジタル化に取り組んでいく中で、日本のメンバーシップ型雇用の問題を考えることは避けられないと思っていますが、大学の在り方という問題とも合わせて考えることが必要ではないでしょうか。

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