書籍化作業を一太郎でやってみた 改稿編②
改稿編②っだよー!
改稿内容について、軽く。
前回は担当さんの指摘箇所の改稿について書きました。
加えて、web→書籍化する際、「章分けしてください」と言われます。web版は基本的に2000-5000字(諸説あり)を1話として連載しているので、本にするとものすごい細切れになります。
なので、「道後温泉 湯築屋」の場合は全体を4-5章程度で構成し、章の中身も5前後の分割番号をふります。だいたい、web版から3章抽出し、1章分と終章を書き下ろしにしています。また、1話1話を統合するときは、つなぎの場面を加筆することも多いです。
※作品によります。これは「道後温泉 湯築屋」の場合です※
web版からの話も設定・内容や結末をガラリと結構変えることがあります。編集さんのご意見もありますし、作者の自己判断で変えてしまう話もあります。
例えば、「道後温泉 湯築屋」だと河東碧や坂上八雲は、この段階で生まれたキャラなので当初、書籍にしかいませんでした。
1巻のときに、
担「湯築屋の従業員は何人ですか?」
ノ「うーん、決めてないけど5人とか、どうでしょう?」
担「それくらいの人数なら、全員顔見せておきましょう」
ノ「そうですね」
というノリで1巻に登場させた感じです。もちろん、殴りあいで決めました。※話しあいです※
設定の矛盾や不統一などの指摘もあったりして、担当さんには頭が地面にのめり込んだままあがらないです。
内容面以外でも数字を漢数字にそろえたり、出版社指定の漢字を開いたり、結構、地道な作業が入ります。
そして、ここにも壁が。
web→書籍原稿にすると……画面が黒いのですよ。
1巻の改稿前原稿です。
画面が……黒い……!
空行を排して文庫本の様式に直した瞬間、こうなっていて愕然としました。真っ黒! 本当に! 真っ黒だ!
こりゃあ、いかんと思い、指定された漢字以外もたくさん開きました。改行も多めにしました。
しかしながら、漢字をたくさん開いたり直したりするという作業。結構大変。Wordで一個一個の漢字を検索かけて、潰していくのは途方もない時間と気力を喰いました。
そもそも、元の原稿でも漢字は全然統一されていません。そこまで考えて書いてない! 考えて書いても、ブレる!
いわゆる、表記ゆれが多数あったのです。
一太郎には校正ソフトが同梱されており、大変に使い勝手がいいです。
表記ゆれ検出の校正機能がここでは役に立ちます。
文章全体から表記ゆれを検出し、一覧にしてくれます。検出精度も高く、こちらの機能を使ったあとは、かなりの表記ゆれが駆逐されます。
修正も、「置換」で簡単に行えます。一個だけ置き換えたり、まとめて置き換えたりすることも可能。
表現自体を変えたいときは、「本文編集」で本文に飛べます。もちろん、編集したあとも戻ってこられるので、続きの作業を行えます。
もうね。
この機能を使ったあたりから、わたしは一太郎さんと結婚しようと思いました。好き。愛してる。
秘書かよ。
【前回までの記事】
・書籍化作業を一太郎でやってみた 序
・書籍化作業を一太郎でやってみた 初稿編①
・書籍化作業を一太郎でやってみた 初稿編②
・書籍化作業を一太郎でやってみた 改稿編①