ヒトが閻魔大王を操ることはできません
「突然、何を言っているんだ?」と思われたことでしょう。
閻魔大王→プルートー(ローマ神話における冥界を司る神)→冥王星(プルート)→プルトニウム→原子炉→核燃料サイクル
という連想から、表題は生まれました。
プルトニウムは「パンドラの匣」を開けてしまった人類が、生み出した史上最強の猛毒です。
その半減期(放射線が半分に減る年数)は、プルトニウム239の場合、約2万4000年。一度生じたら、人間の尺度からしたら、消えるものではないという事です。
原子炉で燃やすことに依って生じるプルトニウムは、どんどん増えるばかり。
そんなプルトニウムの廃棄は宇宙に飛ばす以外、無いでしょう。しかし、それは無理なことです。
人類は未来永劫、原子炉から燃やして出来た、猛毒のプルトニウムと共存していかなければならないのです。
そんな、負の遺産を子孫に遺して、良いのでしょうか。
核燃料サイクルは、燃やした燃料を再度生成して、再使用できる状態にして、また使おうというものです。
核燃料サイクルはそもそも、高速増殖炉で出来たプルトニウムを再処理して使おうということからできました。
高速増殖炉は燃料を、もやせば、もやすほど、燃料が増える、夢の原子炉といわれました。
私が高校生の時、大洗にある「動力炉核燃料開発事業団」の見学会のときに、そう説明されました。
高速増殖炉は世界でも、そのほとんどが実現不可能とみて、開発から撤退しています。
日本はどうかというと、高速増殖炉の開発を中止し、今度は高速炉の開発を推進しはじめたようです。
高速炉は、燃料は増えませんが、プルトニウムを燃料とすることができます。しかし、その開発は難しいと言われています。
「余っているプルトニウムを燃やすから良いんじゃない?」という考えのもと核燃料サイクルを推進する国、これでいいんでしょうか。
核燃料サイクルに反対する、衆院議員 河野太郎さんのコメントが印象的です。
つい先ごろ、青森県六ケ所村の核燃料サイクル施設が、国内初の商業用工場として本格稼働の前提となる審査に事実上「合格」しました。
しかし、本格稼働は見通せないという。
もし、重大事故でも起きたら、猛毒プルトニウムを扱うだけに、どんなことになるか、想像もできません。
六ケ所村には、昔、一緒に仕事をした知り合いが、何人か行っています。
重大事故が起こらないことを祈ってます。