ゼロからのHACCP構築 ~低コスト、コンサル不要のノウハウ~「#14 重要管理点(CCP)の例」
Tail Shapeです。今回も、仕事の話。
前回までのおさらい
CCPの設定方法!
今回は、CCPの設定について解説します!
いつもの如く、厚労省のHACCP書類を参考に⇓
そもそもCCPとは
Critical Control Point の略です。
CCP=焼く、煮る(殺菌)、金属探知機通す など
詳しくは、前回をご参照ください。
ちょっと今回は、特殊な例を挙げます。
うどんの「ゆで」工程なのに
重要管理点(CCP)じゃないパターン!
実は小麦粉って菌の残存が高いんです。
まぁ、考えてみれば、麦を粉にしているだけ、
なので、いろんな菌が残っているんですね。
しかも、栄養価も高いから
虫が好んで食べやすい…。
そんな小麦粉を使ったうどんのゆで工程が
重要管理点では無い
その理由を解き明かします。
CCPの設定の流れとして、
(1)製造工程を列挙
(2)危害要因を列挙
(3)ハザードが重要かどうか[YES・NO]
(4)(3)の理由
(5)どのように管理するか
(6)CCPかどうか[YES・NO]
といった流れにそって、今回の例を解説すると、
この工程では、(1)「16 ゆで」の時に
(2)病原微生物の残存 リスクがある
(3)このハザードは重要ではないと判断しました。
(4)理由は2つ
①茹で上がったら、菌が死んでいる
②芽胞菌が残っても速やかに冷却する
(5)(6)は記載が必要無し
といった感じ。
~プロに怒られる食中毒菌のてきとう解説~
※詳しいことは、ちゃんと調べてね。
https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_vol4_no33.pdf
芽胞菌とは?
穀物や野菜類、土に由来する食品に多く
また、食肉、乳製品にも多いですが、
意外と食品工場ではメジャーな菌
こいつらは、
加熱しても芽胞という卵みたいなのを残し
また生えてくる。
かつ、芽胞という卵は熱に強く、
壊れにくいという特徴があります。
つまり、「加熱しても菌が残存」する
しかも、食中毒を起こす菌です!
こいつの管理は大変ですが、
基本的に、加熱で菌を殺して、その後、
「芽胞を冷却する」ことで対処します。
冷却しておいて、卵が羽化するのを、
止めちゃう。そんな感じです。
HACCPの考え方で重要なのは、
品質が当たり前にクリアしているという前提に
食品安全(HACCP)があるという考え
問題ないパターンは、
麺が茹であがる⇒菌が死んでいる
⇒お客様へは提供できない
問題があった場合は、
麺が茹で上がっていない
⇒お客様へは提供できない
例;ゆで時間が短い、温度が低いなど
例え、菌が生きていても、茹で上がっていない
(品質NG)のものはお客様へ提供しないので
品質(茹で)をクリアしていれば、
安全(菌)も問題ない
だから、CCPとして管理しなくても大丈夫
という考え方です。
そんな感じで気を付けながら
危害分析を済ませ、
CCPを決めていきます。
ここでまとめのおさらい
工程CCP決定のポイント
①最後の砦
これより前の工程の危害を対処でき
これより後の工程でリスクが無く
管理できるか
②何か所もCCPにしない
危害要因別に(菌、金属)1工程だけ
CCPにします。
毎回重要管理は無理です…。
③品質優先
うどんの茹で、米の炊飯など
品質をクリアしていれば、
安全もクリアできる場合
CCPにはしません!
以上3つに注意して、
危害分析を終えましょう!
次は、HACCPプランの作成!
これまでに決めた、CCPをどう管理するか。
その方法について迫っていきます!
ここまでお付き合い頂き有り難うございます。
ご不明な点、ご意見など御座いましたら、
コメント等にお気軽に記載下さいませ。
宜しければまたどうぞお願い致します。