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たいきの読書感想文【第6弾】~未来への大分岐~

こんにちは。
GW期間中に読んだ本をシェアします。
この本はめちゃくちゃおもしろい本でした
(interestingの意味で)

マルクス・ガブリエル マイケル・ハート ポールメイソン 斎藤幸平「未来への大分岐」(集英社新書)

この本は学生時代に長期インターンをしていたSUKIMAという組織のボスから卒業の際に頂いた本です。

斎藤幸平さんと知識人3人の1対1の対談がそれぞれ100ページほどで書かれています。

正直めちゃくちゃ内容が重くて、読むのが大変でした。
ほんとに3冊分くらいの密度があるんじゃないかな。

メッセージを自分なりに解釈すると、

人類の未来に向けて重要な分岐に立っていることを自覚して、一人ひとりが「今、何をすべきか」を考えよう

こんな感じのメッセージです。
それぞれどんな主張をしているのか簡単に説明します。

マイケル・ハート キーワード”コモン”

マイケル・ハートさんはこの”コモン”を中心に議論を展開します。
ハートさんによると、

<コモン>とは、民主的に共有されて管理される社会的な富のことです。

だそうです。つまり、みんなのもののことです。

<コモン>から始まる、新たな民主主義
<コモン>としての地球

といった話をしています。

めっちゃ簡単に説明すると、
世の中は政治家やリーダーのものではなく、みんなのもの(=”コモン”)だから、そこを理解して、全員で課題と向き合おう
といったことを言っています。

”コモン”を軸に環境問題や資本主義、ベーシックインカムなどについて議論しているので、とても興味深かったです。


マルクス・ガブリエル キーワード”哲学””倫理””新実在論”

この人は哲学者です。
今こそ哲学と倫理を学ぶべきだと考えています。
そして、相対主義を批判して、代わりに新実在論を主張しています。

相対主義とは

正義、平等、自由というような、世界のどこでも通用する、普遍的な意義のある概念なんてものは存在しない、存在するのは、土地ごと、文化ごとのローカルな決定だけなのだという考え

です。つまり、理解できない他者に対して、「人は人」と理解を諦めることです。

これにより、共通の判断軸がなく、世界が一つになれないと言っています。

新実在論はこの相対主義に対する考え方で、マルクス・ガブリエルさんはこう話しています。

私は、「新実在論」を二重のテーゼとして定義していきます。
ひとつめは、私たちは事物を事物そのものがあるままに知ることができる、ということ。ふたつめは、私たちが知ることのできる多くの実在的なモノがすべては単一の領域(世界)に属しているわけではないというテーゼ。

。。。難しいですよね(笑)。

簡単に言うと、人であろうと物であろうと万物は理解できるはずだということだと思います。

具体的に例を出すと、
「人には人の正義がある」が相対主義
「正義は常に一つしかない」が新実在論
です。

じゃあ、この一つしかない正義などをどのように判断していくのか、

その判断軸が倫理です。
また、倫理を考えるために哲学が必要であるということらしいです。

普遍的な倫理の重要性は分かったのですが、そこまでの道のりは険しいなと感じると同時に、哲学をちゃんと学んでみたいと感じさせられました。


ポール・メイソン キーワード”ポストキャピタリズム”

持続可能な協働型社会の完成形が、ポストキャピタリズムなのです。

ポール・メイソンさんはこのままいくと資本主義が終わり、ポストキャピタリズムがやってくると主張しています。

正確には、
このままいくと資本主義が終わり、ポストキャピタリズムがやってくるはずだった
と主張しています。

理由はざっくり説明すると、
モノが飽和することでモノの価値が限りなくゼロになり、
機械化により、働かずとも生活できるようになり、
私的所有から共通で所有(シェアの精神)する考えが広まっており、
情報に簡単にアクセスすることが出来る
世の中が資本主義に対し、矛盾を生じるからです。

筆者は

情報技術の発展によって、利潤の源泉が枯渇し、仕事と賃金は切り離され、生産物と所有の結びつきも解消されるでしょう。そして、生産過程もより民主的なものになっていきます。

と言っています。

これを妨げる要因となっているのがGAFAをはじめとする大企業です。

ポール・メイソンさんは
資本主義が機能不全に陥っていることを認識して、
あるべき社会にちゃんと戻そう
と言っています。

GAFAの独占が資本主義の未来に影響していると考えたことがなかったので、とてもおもしろかったですし、
シンギュラリティについても話していたので、それもおもしろかったです。


まとめ

この本はマイケル・ハート、マルクス・ガブリエル、ポール・メイソンの3人がそれぞれ”コモン”、”新実在論”、”ポストキャピタリズム”などの視点から議論しましたが、

結局
人類の未来に向けて重要な分岐に立っていることを自覚して、一人ひとりが「今、何をすべきか」を考えよう
ってことですね。

自分の何をすべきか」と「何をしたいか」が重なれば最高だな~

めちゃくちゃ端折って説明したので、詳しい説明を聞きたい人は僕に直接言うか、自分で読んでみてください!

おすすめの本の情報や、内容の共有もどしどし待ってます!

それじゃまた!

2020/5/11
岩尾大樹


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