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「関節を開く」
「関節を開く」とはストレッチをするということではない。確か、老師は「関節を開いて伸ばす」というようなことを言っていたと思う。
それで教わったのが身体操作の方法。これは他人の体を操作するということではなく、自分の体を丁寧に動かすということ。普通は体を動かす時、無意識で雑な動かし方しかしていないが、ある法則に従って丁寧に動かせるように習慣づけるということ。
そういう鍛錬を長いこと続けていると、日常の体の状態と太極拳をやる状態の切り替えができるようになる。例えば、日常の状態の手首から指先の長さと太極状態での長さを比べると、太極状態の方が1cmくらい長くなるのが分かる。
後に楊氏太極拳の老師に付いていた時、老師が左右の腕の長さを変えて見せてくれたことがあった。実は私もそういうことができると言ってやって見せたところ、たいそう気に入って頂き、それ以後、藩士の内容が深くなったり、兄弟子のプライベートレッスンにも助手として連れて行ってもらえるようになった。
「腕を長く使う」というのはイメージや気持ちの問題だけではなく、実際にメジャーを持ってきて測れば腕が長くなっているということだ。長さが変わらないうちは理解できていないということ。
「勁道を開く」という言葉は日本でしか聞いたことはないのだが、このような自己の身体操作をしっかり理解して意識的に行うと負いうことなのだろうと推測する。むやみやたらにたくさん反復練習しても、具体的な目的地が分からなければどこにもたどり着けないと思うのだが…。
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