【清水研】他人の期待に応えない【読書感想文】
この本は老いの苦しみを乗り越えて前向きに生きる方法 を教えてくれる本です。
40代になったら、自分は成長し続けられるという幻想を手放すこと
40歳くらいでひどく落ち込む主な原因は、若い頃から長年持ち続けてきた期待や幻想が崩れ去ってしまうことにあります。
40代を迎えて人間はいつでも精神だけは若い頃を引きずったままの状態です。
「自分はいつまでも頑張れるし、成長し続けられる」と思っていると、全然結果が出なくなって、「やっぱり自分はだめだ」「情けない」「こんな自分に価値はないと自己嫌悪に陥ってしまいます。
若い頃に持っていた「成長・獲得・努力」という考えからハードルをぐっと下げて、人生の後半では適度に諦めたり、休んだり、手放しながら、たんに楽しいことをやって生きていくといった方向性にライフシフトしていくことが大事になります。
ミッドライフクライシスを深刻化させないためには老いを受け入れる必要がある
「老いを受け入れること」「死を受け入れること」の2つになります。
40代、50代になると、ちょっとのことで息が切れたり、記憶力が低下したり、1日の仕事をし続けるのがキツくなり、仕事の成績が下がる日がくるわけですが、このときに失ったものを、強く意識することが、もっともメンタルを悪化させてしまいます。
逆に、中年から幸福度が増えていく人の特徴は、年齢を重ねるにつれて「自分の肉体には避けられない衰えがある」「ついに幻想を手放す時がきた」と感じて、老いていくことを前提とした生き方や降伏を追求しようとします。
肉体の老化を受け入れてしまえば、シワやシミ、肌のハリ、薄毛、胸の大きさ、身長の高さなどの見た目を過剰に気にする必要はなくなるし、地位や業績なども気にならなくなってきて、自分のやりたいことに素直になりやすいからです。
成長し続けるという幻想を捨てるには、まず死を受け入れる
死を意識して人生が限られていることがわかると、当たり前のできごとに感謝できるようになるからです。
しかし、私たちは人生のほとんどを死を直視しないようにして過ごしています。
若い頃はいいですが、40代~50代はそろそろ死を意識し始めて、成長よりも一瞬一瞬を楽しむことを覚えてもいいかもしれない。
将来のためになる?投資?いらないですね。楽しければOKです。
自分の死と健康寿命の終了をイメージする
日本人の健康寿命は、2019年時点で、男性が72歳、女性が75歳になっています。
健康的でいられるのが70歳ぐらいまでです。
そして、だいたい亡くなるのが男性は81歳、女性は87歳です。
そして、生涯、日本人男性の2人に一人、女性の3人に一人がガンになることがわかっています。
また年間の死亡者数の7割に当たる約100万人が最後に「病院の天井」を見ながら死ぬそうです。
だが、国立がん研究センターによると、がんに伴う体の痛みの多くは鎮痛剤を使うことで癒やすことができるため、死の痛みはかなり和らげることができます。
先送りにしてきたけど、今やりたいことをやっておくべきです。
40代からは「must自分からwantの自分を優先していく」
誰もが社会に出ると「社会で活躍しなければダメだ」「結果を出さないといけない」といったmustの価値観に染まり、いつしか自分のしたいことよりも、しなければならないことが優先となって働きすぎてしまいます。
だが40代、50代になったらそろそろ「しなければいけないこと」を優先し続けるのではなく、徐々に、自分のしたいことを優先していくことがいいわけです。