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【エヴァ・ファン・デン・ブルック ティム・デン・ハイヤー】教養としての行動経済学入門【読書感想文】
この本は、「人をうまく動かす方法」を教えてくれる本です。
人は手間のかかるものより楽なものを選ぶ
人の脳はできるだけ努力を避けようとする性質があるからです。
昔、常に食料が手に入るとは限らなかった時代には、常にエネルギーを節約することが生き残るために重要でした。
ビジネスの世界では、あえてお客さんにやって欲しい行動を簡単にして、やってほしくない行動を面倒にしている場合が多いわけです。
やった方がいい行動を簡単に、やりたくない行動をめんどくさくする
勉強やジム、読書などの本当はやったほうがいいけど、めんどくさいと思っていることがあるのであれば、
それらをできるだけ簡単で楽に実行できるように環境を整えてあげればいいわけです。
そうすれば、行動力は自然と上がるはずです。
すぐに勉強や筋トレに取り書かれるように、ジムや図書館の近くに引っ越すとか、教科書を開いた状態で机の上においておくとか
着替えやスニーカを持ち歩かずに済むジムを利用するとか、読書よりオーディオブックを活用するなどです。
また、4時間勉強するといった大きな目標ではなく、とりあえず図書館へ行こうとか、5分だけ勉強しようといった小さい目標にすることで
簡単で楽に思えてきて行動しやすくさせる効果もあります。
このように楽に取りかかれるように環境を整えたり、目標を小さくすることで行動力が上がります。
一方、本当はやらない方がいいと思っている行動は、わざと手間がかかるようにするといいわけです。
もし、自分が怠けてしまうのであれば、それは自分の意志ではなく環境がそうさせている可能性が高い。
「嫌だけどやらなきゃならないこと」と「好きなこと」を組み合わせると行動力が上がる
たとえば、勉強するときだけチョコを食べられるが、勉強しないと食べられないという感じのことです。
いつでも好きなことができてしまうと、それがご褒美として価値を失い、嫌なことに取り組む動機が減ってしまいます。
人を動かすには損を強調するのがいい
人の脳は、得をする喜びよりも損をする恐怖の方を約2.25倍強く感じる傾向にあるからです。
例えば、「今買っておいたほうが1万円お得です」というよりも
「円安が進んでいるので来月には1万ほど値上がりしてしまうかもしれないです」という方が訴求力があります。
内容がよくわからない映画よりも、安定のゴジラやジブリの映画などががっかりしなさそうなのを自然と選んでしまいます。
他にも保険は割に合わないと知りつつかけてしまっていたり、閉店セールや期間限定などを無視できないのも全ては「損を回避したい」という心理が働くからです。
そのため何かを買ったり、契約する際には損に惑わされず、一度物事を深く考えて決断する癖をつけるといいわけです。
人は選択肢はほしいが、選びたくはない
人は選択肢が多すぎると選ぶのがめんどくさくなったり、何かを選ぶと損してしまうかもしれないと感じて、結局何も選べなくなってしまうからです。
とはいえ、選択肢が少なすぎると、人間は自分で決めたいというコントロール欲求があり、よくないことになります。
何から何まで指示をする会社は離職率が高まるのに対して、出勤時間や休憩時間など、ちょっとしたことを従業員本人が決めさせる職場では従業員のコントロール感は高まって、離職率が減り、仕事のモチベーションが上がることがわかっています。
最適なのは、多くても10種類くらいの選択肢に絞って、その中から自由に決めることになります。
物事を伝えるときは、とにかくわかりやすく工夫する
人間の脳は難しいことを深く考えるのは、疲れてしまうため、簡単でわかりやすい情報を好む傾向にあります。
そのため商品などに興味を持ってもらうときには、相手にわかりやすく情報を伝えることが大事ですし
政治家も複雑な選挙演説よりも「消費税減税」などのシンプルで明確なメッセージのほうが当選確率が高くなるし
Youtubeにおいてもとにかく物事をわかりやすく伝えることが大事になります。
わかりやすさは正義であり、とにかく相手に「めんどくさい」「わかりづらい」「難しい」と思わせてはいけないわけです。
どれだけ素晴らしい情報であってもそれを複雑で難しく、伝えてしまうと台無しです。
人はお金や時間が不足すると頭が悪くなる
お金がない、時間がない、健康じゃない、食事がないなど必要なものが不足している状態は足りないことばかり考えてしまって柔軟な思考ができなくなるからです。
実際にある実験では、欠乏状態にあるとIQが13ポイントも下がることがわかっています。
これは健常者と慢性あルコール中毒患者の差に匹敵するほどのち脳の低下になります。
お金がない人ほど、宝くじを買ったり、パチンコや競馬に手を出したり、歯の定期検診を怠るなど自滅的な行動とるのも、お金の不足が原因で頭わるくなっているからです。
どんなに頭のいい人間でも切羽詰まると、先のことが考えられずに目の前のことばかりに気を取られるようになってしまいます。
そのため何がなんでも時間とお金の余裕を失わないように意識しておくといいわけです。
人は注目すると好きになりやすい
私たちの脳は目に止まったということは、きっと何か特別な勝ちがあるに違いないと勘違いする癖があるからです。
そのため、相手から好きになってもらうためには、良くも悪くも相手の注目を引く必要があります。
迷惑系Youtuberでさえ、ものすごく好きな人が出てくるわけですから。
自己紹介の目的は共通点を探すこと
自分と共通点を持つ相手と一緒にいると、居心地の良さを感じて、相手に好印象をいだきやすくなるからです。
ある意味、身長の低いお客さんの場合は身長の低い店員さんに接客させればいいし、メガネを掛けているお客さんの場合は、メガネをかけている店員さんに接客させたほうがいいということになります。
会話は、ある程度自分との共通点がないと繋がりを感じづらくなってしまいます。