「"はじめてのこと"を怖がらない」習慣
西堀栄三郎氏が書かれた「石橋を叩けば渡れない」(日本生産性本部刊)という本があります。
昭和47年9月に初版が出版されて以来、毅然としてロングセラーを続けている名著です。
著者の西堀氏は、日本初の南極観測隊の隊長を務めた人です。
130人の隊員とともに第一次南極越冬の偉業を果たしたことは有名です。
当時(昭和31年)南極は未踏の地であり、まったく道の世界でした。
その「一寸先は闇」の世界に行って越冬しようというのですから、ただごとではありません。
すべての行動は予測からのスタートです。「一寸先は闇」の世界を予測して準備。
そして、観測船の宗谷に乗って日本を出発をしたわけです。
西堀隊長は日本に帰ってきて、いろんな人から質問されたそうです。一番多かった質問は「越冬中、何が怖かったか?」でした。
西堀隊長は「"未知"が一番怖かった」と答えています。
明日は、どのくらいの嵐がやってくるのか?寒さはどれくらいか?・・・などすべてのことに見当がつきません。
しかし、「南極で暮らして1年たつと、全部といってもいいくらいいろんなことがわかってきた」と語っています。
嵐になると暖かくなる、屋根の上に雪は積もらない・・・。などがだんだんわかってきたのです。
それからのことがわからないうちは、すべてに用心しなければなりません。
西堀隊長の話の中で注目すべき点があります。次のひと言です。
「ものごとをやるとき、"最初"と"第2回目"では天地の違いがある。しかし、第2回めと第3回目ではほとんど違いはない」。
つまり、"はじめて"のときの試験の大切さを強調されているわけです。
その証拠に、第1回目の越冬隊の隊員たちは家族と泣きの涙で別れて出発したのです。
生きて帰ってこられるかさえもわからなかった。また、みんな死んでしまって死骸も帰らないかもしれなかったからです。それほど"未知"だったのです。
ところが、第2回目以降の隊員たちは"未知"の不安はありません。ちょっとした海外旅行に出かける気分で家族に見送ってもらったといいます。
私たちが新しいことを始めようとするとき、未知への恐怖と不安がつきものです。
しかし、それを乗り越えて行動する勇気が大切です。その勇気がないと、いつまでたっても自分の願望は達成できません。
もっと【「"はじめてのこと"を怖がらない」習慣】を学びたい人はこの本がおすすめです!
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