【小林さとる】キャリア迷子 自分らしく働けない人のための「生き方提案」【読書感想文】
今の時代は今後のキャリアに悩む人が多い
いまの仕事を続けていても、将来に希望が持てない
かといって、他にどんな仕事をすればいいのかわらない
自分なりに一生懸命働いているけど
なかなか結果が出せず社内で評価してもらえない
出産や育児で休業をしたら
仕事に復帰できないかもしれないと思うと不安
このような迷いや悩みに直面している状態を「キャリア迷子」と呼びます。
キャリアアップとキャリアダウンに抱くイメージ
キャリアアップという言葉のイメージ
社内で昇進する
給料が上がる
難しい資格を取る
大きな会社に転職をする
キャリアダウンという言葉のイメージ
希望してない部署に異動になる
会社を退職して無職になる
大企業から中小企業に転職をして給料が下がる
正社員から非正規のパートタイマーになる
キャリアという言葉は、「成功」や「上昇志向」や「競争」といったイメージと結びつく形で使われる
バリバリと働いて出世や収入アップを目指すことが「キャリアを考える」
「キャリア」という言葉は、もともと出世とか上昇志向といった意味ではあありません
キャリア「Career」道やコースといった意味を表している言葉
簡単にうと「キャリア=一生涯の経歴」がもともとの言葉
日本では、「キャリア」という言葉だけでは、経歴書や職務経歴書に書かれているような「職歴」「業務歴」「業務上の実績」に絞って捉えられることがまだまだ一般的です。
会社内での異動や昇格などの経歴、つまり「組織内キャリア」が、キャリアのすべてになっているひともまだたくさんいます。
これは長く終身雇用が行われた結果です。
「キャリア」という言葉を、職業という限定された意味だとするのが「ワークキャリア」
この「ワークキャリア」は、過去から現在までの時間軸で捉えられていることがほとんどです。
ライフキャリア=広義のキャリア
エドガー・H・シャインはキャリアを「生涯・個人の人生や生き方とその表現法」
ドナルド・E・スーパーはキャリアを「生涯において個人が果たす一連の役割、およびその役割の組み合わせ」
過去から現在、そして将来に向けてという長い時間軸で捉えられている
簡単にまとめれば「一生涯にわたる役割や経験の積み重ね」すなわち「人生そのもの」となります。
ワークキャリアが狭義のキャリアだとするなら
こちらはより広い意味で捉えられた、広義のキャリア
広義のキャリア=ライフキャリア
「ワークキャリア」を考えることももちろん
大事なことですが、「ワークキャリア」を含め
人生全体を視野に入れた「ライフキャリア」を考えることが
働き方そのものを見直すためにとても重要なことです。
人生は、さまざまな役割の組み合わせ
仕事に関係するものだけではなく、人の一生にわたって
仕事以外の面も含まれることを示すもの = ライフ・キャリア・レインボー
アメリカのキャリア心理学者である
サニー・S・ハンセンも、スーパーと同様に
キャリアを個人の人生の役割全体を含む
包括的なものだと捉えています
この人生の役割には次の4つの要素があり、これらが組み合わさることで
1つの意味のある全体=キャリア になるとしています。
労働 (Labor)
学習 (Lerning)
余暇 (Leisure)
愛 (Love)
キャリアで目指すべきは全体の幸せ
ワークキャリアとライフキャリアのバランスが取れていることは
充実した人生を送るための前提条件
例えば、仕事に重点を置きすぎて、果汁労働や長時間労働を続けるのはよくない
仕事ではそれなりの成果が上がったとしても
心身の調子を崩したり、「親」や「家庭人」といったライフキャリアの上の他の役割を
ないがしろにすることになる
仕事以外の生活に変化が生じることでワークライフバランスが崩れることもある
自分が病気になる
家庭の介護が必要になる
同じ仕事量でも、プレッシャーを感じる
もちろん、人には、職場の中核として仕事に専念しなければならない時期もあれば
育児や介護に集中しなければならない時期もある
ワークキャリアとライフキャリアの比重はライフステージによって
大きくなったり小さくなったりします
そのように柔軟に両者を変化させながら
自分にあったキャリアを築く必要があります。
客観的にはキャリアダウン主観的にはキャリアアップもある
キャリアアップ = 人生での幸せを生みやすい基礎と思われがちです。
そのような職位や給与の上昇や待遇のアップが人生の幸せとイコールとならないこともあります。
キャリアダウンは、不幸とイコールではない
給与面では、下がったとしても、他の面での満足度が上がっているのであれば、そのキャリアチェンジは、全体で見ると、幸せの実現やキャリアアップとなっています。
多くの人が思い浮かべるキャリアアップやキャリアダウンが間違っているわけではありません。
ただ、測る基準や視点が違います。
たとえば、給与が上がればキャリアップで下がればキャリアダウンというのは
給与の状態がどう変化したかを客観的な数字をモノサシにして測っている
それに対して、自分がどう感じているかは
本人の満足度を基準とした主観的な評価
それが外から見える部分だけを測った
客観的な評価と一致するとは限りません
客観的にはキャリアップなのに
主観的にはキャリアダウンだったり
逆に客観的にはキャリアダウンなのに
主観的にはキャリアアップになることがあります
幸せとは、最終的には本人の主観的な評価で決まります。
幸せなキャリアを築くために主観を優先する
報酬や地位やスキルなどの向上を目指して
それを実現することで幸せな人生を歩むことできるなら
それはとても素晴らしいこと
あえてそのようなキャリアアップから外れて
周囲から「キャリアダウン」と思われる選択をしたとしても
その結果として、本人の幸福度がアップするならそれもあり
どちらかに進めばいいのか分からなくて、キャリアに迷っているなら
一旦立ち止まってください
自分にとって目指すべき幸せは何かを見直してみることをオススメします
キャリアは、その人の人生そのものであり、キャリアをデザインする目的は自分が幸せになること
キャリアチェンジが最終的な目的である自分の幸せに近づく変化であれば、それこそが
「本当のキャリアアップ」と呼べるもの
本当のキャリアアップ→内的キャリアアップ
客観的な事実として、給料がアップしたり、地位がアップしたり
スキルがアップすることは、自分の幸せに一定の影響を与える
しかし、それらがすべての決定要因になるわけではない
周りの人や世間がどう見られていても、自分の幸せだったらそれでいいのです。
自分の考え方の"クセ"を知る
考え方にはクセがある
大切なのは、どちらの見方も考え方のクセを通して
感じられていて、別の見方ができる可能性があるということです。
考え方のクセがもたらすイメージがあることを知っていれば
それとは違う見方や、感じ方ができることに気がつきます。
1つの事実に対して別の見方ができることかもしれないと意識しておくことが大事
キャリアを見直して、幸せに結びつくこれからの生き方を考えるキャリアデザインをする際にも
大切なポイントになります。
心理学では、このような考え方のクセが感情にも悪影響を与えると言われています
「べき思考」などの思考が強い人ほど
自らを精神的に追い込んでしまう傾向にあります
そして、思い通りにいかないストレスから
うつ病などのメンタルの不調を抱えやすくなるとも言われます。
働くことに前向きになるには
仕事、職業、労働というワードにネガティブなイメージを持つ人がいます。
これらの言葉はすべて「働く」という動詞で表される内容の行動をともないます。
働くことには強制的、義務的なニュアンスや「やらされ感」が多かれ少なかれついてまわります。
働くことには苦痛がともなうことがありますがその一方で
大きな喜びや達成感や楽しさを感じられる瞬間もあり、幸せな人生を築くために働くことは重要な要素です。
生活の糧を得ることや、自分が持つ技能や知識を活用することでも、満足感を得られます。
それられを超えて、直接、社会の役に立つことをしたり、より大きな満足感を得ることができます。
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