【アーサー・C・ブルックス】人生後半の戦略書 ハーバード大教授が教える人生とキャリアを再構築する方法【読書感想文】
この本は「人生の下り坂との向き合い方」を教えてくれる本です。
30代後半から50代前半にキャリアが落ち込みはじめる
あらゆる職業と成果について調べると、ほぼすべての仕事で50歳、60歳を迎えるとパフォーマンスの低下が見られます。
チャールズ・ダーウィンも50歳以降は創造性にかげりが見えはじめて、研究は壁ぶつかり、突破口は開けませんでした。
そして毎日憂鬱な日々を過ごして73歳でなくなってしまいました。
人のパフォーマンスの衰えは、意外なほど速く訪れます。これが現実なのです。
「もっと」という病
これまで今まで仕事で多くの人から必要とされてきた人ほど、能力が落ちてパフォーマンスが下がってしまうことを
受け入れられなくて、若い頃のように「もっと上に」「もっと稼ぐ」という病にかかってしまいます。
若い頃にモテた自分、かっこいい自分、仕事ができた自分が脳にこびりついていて忘れられないわけです。
そのために、自分のパフォーマンス低下を受け入れられず、もっともっと努力して頑張ってしまいます。
残念ながら歳をとるとがんばってもがんばっても結果が出ません。
そしてもっともっと努力をし続け、そしてどんどん落ち込んでいってしまいます。
過去の自分の栄光が輝かしいほど、今の自分とのギャップに悩み苦しむことになります。
つまり本来であれば、人生の後半に備えて、仕事を抑えて、しっかりと職場以外の人間関係に時間を投下しておくべきですが、それをせずにピークを過ぎて、たいして結果が出ない仕事にリソースを透過し続けると、結果として孤独な老後が待っているということです。
実践者から指導者へと仕事を変えるとき
ピークが終わり、凋落する前に実践者から指導者へと仕事を変えることをおすすめします。
1つだけ歳をとって優れている部分があります。それは今までの経験です。
経験を誰かに教えるという立ち位置にうまく飛び乗るといいです。
人生後半の人間関係
中年以降の幸福に大きく影響する1つの要素が多くの友人がいることになります。
とはいえ、高齢者になってからいきなり友人を作るのは難しいです。
そのため老後に備えて仕事を控えめにして、徐々に友達を多く作っておくことが最適解になります。
実際に多くの親友がいるほうが幸福度が高いことが数々の研究で証明されています。
ちなみに女性より男性の方が孤独になりやすいので注意です。
投資だけでなく、人間関係も分散投資しておくことが重要になります。
死の間際にもっとたくさん働けばよかったという人はいない
死の間際になって、「もっとたくさん働けばよかった」「あと1日だけ働きたい」という人いません。
日本は税金が高く、これからもっと高くなります。
だから死ぬほど働いても、そこまで手元にお金は残らない形となります。
だからこそ、ピークを過ぎたら時間を少しずつ人間関係に投資をすべきです。
「弱くない」ふりをやめる
友達を作るときに、自分は弱くないぞ!という虚勢をはればはるほど人を遠ざけてしまいます。
無防備で素直に弱みを見せられる人のところに人は集まってきやすいわけです。