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【熊谷徹】ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか【読書感想文】
この本は「ドイツ人のようにゆとりのある暮らしを送る方法」を教えてくれます。
ドイツ人の働き方、習慣や考え方にこそ、日本人が学ぶべき教訓があります。
ドイツ人は質素な暮らしを送っている
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日本人と比べて倹約家が多く、質素な生活を送っています。
おしゃれをしている人はいないし、女性はノーメイクです。
食事も夕飯は火を使った料理をしないし、パンがメインの「アーベントブロート」と呼ばれる質素な食事で終わります。
ドイツ人は外食に行くことすらほとんどない。
ドイツ人は290万円で生活しているのに生活満足度が高い
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ドイツ人の自由に使えるお金は手取り額約290万円
つまり、1ヶ月に使える自由なお金が約25万円です。
ドイツは健康保険や失業保険、介護保険などの様々な社会福祉制度が充実しているぶん
社会保険料が高くなって手取り額が低なっています。
しかもドイツでは日本の消費税にあたる付加価値税が19%と非常に高いです。
サービス砂漠のドイツ
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日本は世界一のおもてなし超大国です。
支払いでも日本で1万円札を出しても何も言われませんが
ドイツで100ユーロ紙幣を出したら
「こんな高額紙幣で支払うなんて!」とすごい剣幕で怒られます。
またドイツでは「閉店法」という法律があり、平日の20時以降と日曜祝日は店が閉まっています。
そのため、24時間営業のコンビニもなければ、夜中まで開いているスーパーもないです。
便利さは忙しさの裏返しでもある
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日本が生きづらいと思うのは、お客さんに便利なサービスを提供するために、店員さんはとんでもない量の業務をこなさないといけないことです。
対人に対してきめ細かいサービスを行うには、他の人の気持ちに配慮する必要があります。
日本という忖度社会では「自分が客だったら、こういう状況の時になにかを求めるだろうか、どう感じるだろうか」
と常に先回りして考え、便利なサービスを提供することが求められるます。
上司や会社の期待に応える用に自分を犠牲にしながら身を粉にして働くために、日本では長時間労働による過労死やブラック企業、精神的に追い詰められた人の自死が大きな社会問題となっています。
反面、ドイツ人は「仕事はあくまでも生活の糧を得るための手段にすぎず、仕事のために個人の生活を犠牲になんてしません」という意識を持っている。
ドイツ人にとっては働きすぎは精神や身体の健康を崩すということは、本末転倒であり得ないってことです。
ドイツ人は他人に期待しない
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ドイツ人が質の悪いサービスを受けても怒らない理由です。
人の不満というのは、相手に期待しすぎてしまうから生まれます。
ドイツ人は「自分でできることは他人のの手を借りずに自分でやる」という原則を持っています。
だから、ドイツでは家具を買ったら自分で組み立てを行うし、モノが壊れても自分で修理をおこないます。
ドイツは他人に対する甘えが少ない国、日本は他人に対する甘えが多い国とも言えます。
ドイツ人はお金の奴隷にならない働き方をしている
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ドイツ人は給料が高くなったら、日本人のように嬉しがります。
だが、私たち日本人と比べると、ドイツ人はお金や消費に振り回されず、それ以外の価値を重視している人の割合が高いです。
ドイツ人は、静かな環境や自然を大事にする人が多いので、休暇の際には「仕事の疲れを癒やすためには静かな環境で」と考え
休日はわざわざ都会でショッピングを楽しむというより、森や公園で読書をしながらゆったりと過ごす人が多い。
ドイツ人がお金より大切にしているものを挙げると「自由時間」です。
「月給が増えなくても、家族と過ごす時間が増えればいい」と考えている人が非常に多い。
ドイツ人はお金の奴隷にならない働き方をしています。
ドイツ人はお金をかけずに生活を楽しむ達人
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日本人は、消費を娯楽として生きている人が少なくない。
日本人は自由時間が少ないために、消費と娯楽としている人が多い」わけです。
いくら会社での仕事が忙しかったとしても、買い物なら土日などの比較的短時間で行なえるからです。
一方で、ドイツ人は基本的にいつでも休みを取ることができ、しかも毎年2~3週間のまとまった休みが取れ、心のゆとりが生まれます。
日本人のように仕事のストレスを買い物で発散する必要がありません。
しかも2~3週間の旅行にはそれなりのお金がかかるので、普段から無駄な出費を抑えておく人が多く、娯楽でもお金をかけずに楽しみます。
ドイツ人はエネルギー問題への関心が高い
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たとえばドイツではアパートやホテルの廊下は、夜になるとスイッチを入れない限り真っ暗
トイレも人が来るまで真っ暗で、便座は冷たい。
そして、ドイツでは国の政策で「多少のコストがかかっても、自分たちの住む環境を守る」という方針をとっています。
なので電力料金引き上げや規制の強化に文句もいいながらも、再生エネルギーへの転換という多額の費用のかかるプロジェクトを支持しています。
こうしたエネルギー問題に対する姿勢も「働きすぎず、お金に振り回されないでほどほどの暮らしをする」が「結局は精神的に充実した生活につながる」というドイツ人の哲学と共通する部分があります。
求めすぎないことから始めましょう
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ドイツでは自分でできることは自分で行い、他人に頼らないというDIY精神が浸透しています。
お店やホテルでもお客さんは店員に過剰なサービスやへりくだった態度は期待しないし、店側も期待されていないぶん心の余裕が生まれます。
日本人も、ドイツ人のように期待値を下げる「求めすぎない」事から始めてはどうでしょうか?
ドイツには「贅沢は尽きないが、無いなら無いでやっていける」ということわざがあります。
ようは「終わりの見えない無いものねだりをするのではなく、今あるものに目を向けよう」という考え方です。