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映画『碁盤斬り』を観た

★ストーリー
あらぬ嫌疑をかけられた浪人が、復讐と潔白の証明に執念を燃やす。

★女優
清原果耶 22歳
朝ドラ〝あさが来た〟で女中役をしていた時から、清楚で凛とした姿が目についた女優だった。当時13歳。
僕としては井上真央以来、子役時代から見ている女優でもある。
お絹、ピッタリやなぁ。もう敵わんわな。格之進の切腹を止める場面も、草彅剛に負けない迫力があった。素晴らしい。

小泉今日子 58歳
こちらも女郎屋の貫禄十分の女主人。いやぁ、キョンキョンじゃなかったね。でもお絹に着物を着せる場面や、身請けを迫る侍に対したときの度量といなし方は、大女優のオーラをまとっていた。

★長澤まさみ研究
長澤まさみが22歳のときには映画『曲がれスプーン』と『群青』の2本に主演している。
あの時点での長澤まさみには、清原果耶が草彅に迫った、あの迫力は出せなかったように思う。出させなかった可能性もあるが、いずれにしても、こうした芝居をしない時期があるからこそ、今の長澤まさみがある、というのが現時点での僕の見方だ。
清原果耶は、今後益々、すごい女優になる。ただ、野球の投手に例えるなら、早い時期に変化球を覚えるよりは、若い時期には直球を磨いた方が伸びしろも大きくなる。長澤まさみにとって、20歳台は直球を磨いていた時期だったに違いない。

★パンフレット
重みのある良いパンフレットだったが、元ネタは『落語』と紹介されていた。もちろん脚本家がご覧になったのは落語で間違いないと思うし、今や落語として広まっているのも否定は出来ないが、これは恐らくは『釈ネタ』だ。講談の演目は、輸出したものは数知れないが、ほぼ輸入はしていない。とは言っても、僕たち上方講談の碁盤斬りの元ネタである『柳田格之進』は、元を辿れば、4代目南陵が落語から逆輸入してきたものであるだけに、強く言えない部分もある。
結局、『柳田格之進』は昔、隆盛極めた講談師が、落語に輸出を許し、それを大事に育てた落語と、それを守る数の足りなかった講談師の、演目への思い入れの違いが、今に及んでいるのかもしれない。

★まとめ
清原果耶と小泉今日子だけではなく、草彅剛も國村隼も素晴らしかった。映画には敵わんなぁ、と思わせてくれた。

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