聖なる夜に、映画を観よう。 【エッセイ】
『クリスマスの映画事情』
11月が終わろうとして、世間はクリスマスのことで頭がいっぱいみたいだ。数あるイベントのうち、祝日でもないのに最も重要視されている。中にはクリスマスが大嫌いな人もいるだろうに。
『グレムリン』という映画には、クリスマスに嫌な思い出がある女性が登場する。そうだ、あの映画もクリスマスの話だった。
クリスマスが近づくと、テレビではそれに合わせて映画を放送するのが恒例になっているようだ。僕の記憶では毎年のように『ホーム・アローン』で、1作目と2作目を交互にやっているんじゃないだろうか。
僕が映画を好きになったのは2年前。それまではテレビの影響で、有名なクリスマス映画は『ホーム・アローン』しかないと思っていた。しかしそんなことがあるはずもなく、今ではクリスマスにどの映画を観るか悩むくらいだ。『ダイ・ハード』がクリスマスの映画だったのには驚いた。
そして今年も、この季節がやってきた。『ホーム・アローン』『グレムリン』『ダイ・ハード』。今のところ、候補はこの3つ。
『ホーム・アローン』は万人受けのコメディだし、『グレムリン』はちょっと過激、『ダイ・ハード』はマッチョだ。さあ、どれにしよう。
振り返ると今年は、ストレスまみれの一年だった。特に就活。社会が求める姿を演じる自分に腹が立ち、奴隷根性むき出しの内定先の人間に腹が立つ。今年のクリスマスは、うまく笑えそうにない。いっそのこと胸糞映画でも観てやろうか。
僕は幸せな時にコメディが観たくなる。逆に、落ち込んでいる時は明るい映画が観られない。来年の自分は迷わずに『ホーム・アローン』を選べているといいのだけれど。