「けテぶれ」を通して見えた学びの自走力
1. はじめに – 野球から教育へ
私は小学校から大学まで野球を続け、高校時代には甲子園に出場し、大学では神宮大会のベンチ入りを経験しました。
その中で私は、練習や試合の結果を常に分析し、「どうすればもっと良くなるか」を考え続けてきました。
うまくいった時も、うまくいかなかった時も、計画を立て、試し、分析し、また練習する。このサイクルを当たり前のように繰り返していました。
そんな中、「けテぶれ」という考え方に出会い、「自分がやってきたことは、これだったんだ」と気づきました。
そして今年、自分のクラスで「けテぶれ」を取り入れ、子どもたちと一緒に学びを深める中で、新たな発見がありました。
2. 「けテぶれ」とは何か?
「けテぶれ」は、学びのサイクルを 「計画(け)」「テスト(テ)」「分析(ぶ)」「練習(れ)」 に分解し、効率的に成長するためのフレームワークです。
これはスポーツだけでなく、勉強や日常生活にも応用できる考え方です。
私は今年、自分のクラスで「けテぶれ」を導入しました。
最初は 漢字練習 など、取り組みやすいものから始め、段階的に授業や教科書の活用に広げていきました。
その中で、ある重要なことに気づきました。
すでに学びの習慣がある子は、「けテぶれ」にすぐにハマり、勝手に自走していく。
彼らは「けテぶれ」を使って学びを深め、自分なりにアレンジし、友達と交流しながらさらに効果的な方法を見つけていきました。
しかも、その子たちが、まだ慣れていない子に教えるようになり、クラス全体に広がっていったのです。
結果として、夏頃から始めた「けテぶれ」は、2ヶ月ほどでクラスの9割の子ができるようになり、自然と学びのサイクルが回るようになりました。
もちろん、まだ理解が追いつかない子には、手厚く指導する必要がありますが、最初に学びのリーダー的な存在を育てることで、クラス全体が良い方向に進んでいくと実感しました。
3. 「QNKS」への発展 – けテぶれの次のステップ
「けテぶれ」がある程度定着してきた後、新たに 「QNKS(問い・抜き出し・組み立て・整理)」 という考え方を伝えました。
これは、葛原祥太さんが提唱した 「情報を整理し、深く考えるためのフレームワーク」 です。
最初に存在を紹介した時点では、子どもたちはあまり意識していませんでした。
しかし、「けテぶれ」を続ける中で、自然と 「これってQNKSの考え方じゃない?」 という気づきが生まれるようになったのです。
例えば、教科書の内容を整理するときや、課題の解決方法を考えるときに、
「これ、抜き出して整理するとわかりやすいんじゃない?」
「この問題のポイントって、組み立て直すと見えてくるよね!」
といったやりとりが生まれ、子どもたち自身が「けテぶれ」と「QNKS」のつながりを発見するようになりました。
つまり、「けテぶれ」を通じて学ぶ姿勢が身についた子どもたちは、次のステップとして「QNKS」のような思考の整理法にも発展していくことがわかりました。
この流れが自然に生まれたことに、驚きとともに、大きな手応えを感じました。
4. 保護者の反応
「けテぶれ」を導入したことで、子どもたちだけでなく、 保護者からも大きな反響 がありました。
ある保護者からは、
「けテぶれを教えてくれたおかげで、家でもたくさんやっています。楽しそうに自分で学ぶ姿が見られるので、本当に感謝しています。」
という言葉をいただきました。
また、別の保護者からは、
「これはまさに PDCAサイクル ですね。将来絶対に必要になる力なので、今から学べることに感謝しかありません。」
と言われ、思わず泣きそうになりました。
子どもたちが学校だけでなく、家でも 「自分で学ぶ」 ことを楽しんでいるという事実に、改めて「けテぶれ」の価値を感じました。
また、「学び方そのものを教えること」の重要性も実感しました。
5. 来年度に向けて – 新たな視点からの挑戦
今年1年間、「けテぶれ」と「QNKS」を実践してきましたが、来年度は 初任者として新たな環境での挑戦 になります。
これまで培ってきた実践をどう活かすか、また新しい視点でどう発展させていくかを考えています。
今後は、
• 学習指導要領を深く読み解き、そこから「けテぶれ」に活かせるポイントを見つける
• 教育学や他の分野の本を読み、「けテぶれ」や「QNKS」に通じる考え方を探す
• 子どもたちが自ら学びを深めていく仕掛けをもっと増やしていく
といったことに挑戦していきたいと思っています。
6. おわりに – 「けテぶれ」はすべての学びに通じる
私は野球を通じて「けテぶれ」を実践してきましたが、今ではそれが 教育の現場にも活かせる ことを確信しています。
「計画を立て、試し、分析し、また挑戦する」
このサイクルを回し続ければ、どんな分野でも成長できる。
だからこそ、私は今後も「けテぶれ」を学び続け、より多くの人に伝えていきたいと考えています。
そして、来年度は新たな視点から学びを深め、
「これもけテぶれじゃん!」
「これもQNKSじゃん!」
という発見を増やしていきたい。
「けテぶれ」を通じて、もっと多くの子どもたちに「学びの自走力」を育てていきたいと思います。