🔴いつも大安吉日152 〜一生のつきあい〜
【一生のつきあい】
「いよいよくるぞ」
ぼくはそのときを待っていた
ぼくはとにかく「めでたい」のが好きなんだ
目出度くって愛でたくってめで鯛やつが
昨日も書いたけど、「大安吉日や」って屋号ももちろん「めでたさベース」からだ
数字ならもちろん末広がりの「八」が好き
車のナンバーは「ハッハッハ」の「888」
そのときは目前にまで迫っていた
朝うちを出ていくときにはまだだった
運転中のぼくは「なんかおもしろいモノないかなー」と、基本はキョロキョロしている
完全にキョロキョロに持っていかれてた
そのときが過ぎ去ってしまったことに気付いたのは、畑に着いてからだった
もう戻すことのできない過去になった
意識していたつもりだったのに⋯
いつもそうなんだ
意識していたことなんてすぐに忘れてしまう
「意識すること」
ここをしっかり自分のものにしていきたい
走行距離メーターは、またつぎの一歩を確実に積み重ねはじめていた
「いつもありがとう。またつぎの八ゾロ目まで付き合ってくれるかい?」と、ぼくは愛車に感謝と労いの言葉をかけた
🔴仲間のいる場所
昨日のぼくのいちにちを振り返ってみよう
天気と同じで、コロコロと転がり流れたいちにちだった
いつも通り、時間も予定も関係なしのすにちゃんはなかなか起きない
朝ごはんなんて待ってて出てくるものじゃないので、ぼくはこどもたちと池に冷やしてあったスイカをいただいた
池の水の「冷えすぎない良さ」を知った
こどもたちは、いつもと違う「大きめカット」のスイカの食べづらさを知った
バタバタと学校に向かう
昨日は学童のこどもたちと、流しそうめんに使う竹を伐りに行くことになっていた
竹林に入ってはじめてノコギリで竹を伐る子
リーダーとして張りきっている子
伐った竹の長さを揃えて運ぶ子
竹に囲まれて「イクラが好き」と、寿司の話しをしてくれる子
竹林で竹を伐る環境にいながらも、そこには個性が溢れかえっている
うるさくてヤンチャで生意気なやつもいる
話しを聞いてもくもくとやる子もいる
それぞれの個性を大切にしてくれる学校と学童に、みんな通えてよかったよかった
学校に戻ると、学校で管理しているプルーン畑の作業から帰ってきた親や教職員もいる
夏休みに入っても学校はいつもにぎやかだ
「いつ行っても誰かに会える場所」
大日向小学校を選んできたみんなだから、共有している想いもある
はじめましての誰かが、すぐに「仲間」になれる場所なんだよなあ
ここでお昼休憩
🔴祈る
午後は大豆畑に草刈りに出かけた
走行距離メーターに気付いたのはこのときだ
こんなもんなんだよね
いつも通り地面に這いながら進んでいくと、目の前の大豆の葉っぱがないっ
「また鹿が入ったのか?」
すぐにテープの柵をチェックしてみた
切られたりした形跡はなかった
上の段の畑も少しやられている
最上段の野菜と芋の畑も見てみる
さつまいもが少し喰われている
柵を立てるときに支柱のパイプをくれたおじさんは、「そんなに高くしなくても大丈夫だから」と言っていた
それでもぼくは、低いところでも自分の背丈を軽く越えるところにテープを張った
そのテープが切れてないのに、鹿は確実に中に入って葉っぱを喰った
すごく低くお辞儀しながら入ってきたのか?
やっぱり飛び越えてきたのか?
前回やられた大豆は復活して伸びてきたけど、ここから挽回できるかは微妙だ
背丈の低い復活大豆は、草に飲まれてる
それをひとつひとつ草刈りするのに、いまはものすごい手間がかかっていた
「ここまでだな」
他にもやること満載ないま、これ以上ここだけに手間をかけているわけにはいかない
テープの柵をもう少し高くして、低いところにもう一周テープを巻いて、そして待とう
こまかい草刈りはもうやめて、条間だけを刈払機でスッキリさせるだけにしよう
そしてあとは祈る
鹿に祈ってお願いする
すべての生き物や自然といいバランスで共存できるように、暮らしを整えていく
🔴一生の仲間
変にすっきりしたタイミングで、仲間がこどもといっしょに畑にやってきた
ものすっごいプレゼントといっしょに
ぼくは自分が分けられる範囲のお福分けをしていただけだったんだけど、「いつもありがとう。ほんと助かってるよ」と言って、そのプレゼントをぼくにくれたんだ
同じ時期に移住してきて、前までぼくと同じような暮らしをしていたからわかるんだろう
ぼくの暮らしに合うように作ってくれた
山も登れるし作業にも使えて、普段も気にせずに長く履き続けられる「ワークブーツ」
靴職人の彼のこだわりの作品
もうとびきり最高だった
前の冬に足型だけは取ってもらってたから、幅の広くて甲の高いぼくの足にピッタリだ
もう一生付き合っていくことに決めたよ
靴作りの工程を細かく聞いた
どんなふうに育てられた動物からいただいた革なのかも細かく教えてくれた
靴のベースの革と、ソールの間の革を縫う麻糸は、彼が松ヤニを染み込ませたものだ
ブラシやワックスまで用意してくれて、手入れの仕方まで教えてくれた
内側にはぼく名前が刻まれていた
ぼくは草履も足型を取って作ってもらったやつを愛用しているんだけど、脱いだときは鼻緒が踏まれてしまわないように立てかけたり、抱えて持っていくこともある
作ってくれた人の顔はもちろん、性格やこだわり、想いがわかるから愛着があるんだ
これから履き込んで手入れして、革の雰囲気も変わっていくんだろうな
ソールが減ったりして、また直してもらったりもするんだろうな
靴と彼と、これからずっと付き合っていく
一生の仲間が増えてうれしいな
帰りには、同じ靴関係で、日本でひとりだけの職人さんに用事があったらしく、ぼくもついて行って話しを聞かせてもらっちゃった
ばっちりうまくいっている
🔴流れ
朝には思ってもいなかったような流れ
まったく知らなかった世界が、夜には自分の世界になっている
実におもしろい世界だ
暗くなりはじめたころ、うちに向かって帰っているところですにから連絡がきた
「うちのこどもたち帰らないんだけど」
どうやら作った流しそうめんコースで、ひたすら遊びつづけているらしい
ぼくは急いでアイスの実をゲットして、学校に向かって車を飛ばした
小雨が降る薄暗くなった中、やつらは竹の上をコロコロ流れて小さくなったアイスの実を、いつまで追いかけていた
流れは止まらない
このいい流れに任せていこう
ではみなさん、今日もすてきないちにちを
五穀豊穣 子孫繁栄
大安吉日や さかいひろし
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