🔴いつも大安吉日236　〜ナンニモナイケドナンデモアル〜

【ナンニモナイケドナンデモアル】

遠くに見える浅間山と八ヶ岳が白くなった
今年はずいぶんと早く雪が降ったようだ

気温も低かったし雨と霧でいちにち暗かった
ここもいまにでも雪が降りそうだった

無数の穴が開いて寒くみすぼらしかった障子は、きれいに「ピシッ」と張り替えた
すると不思議なもんで、障子の張られた部屋のあったかさより、貼り終えることのできなかった奥の部屋の寒さが際立つ
変わった方より変わらなかった方が際立った

「そっちに意識を向けるんじゃないよっ」
自分自身にそう言ってはみるが、それはそんなに簡単なことじゃない

「無いこと」をついついみてしまう
「在ること」を見て感謝していきたい

それでもやっぱりわかりやすく風がぬける
はやく全部「在る」ようにしよっと

🔴かわいいはなし

朝の炊きたてのごはんをすにちゃんが海苔巻きにしてくれていた
「巻きす」っていうんだったか、いつもとちがう調理道具が台所に登場していた
もちろん何度も見たことはあるけど、そこから生まれる海苔巻きを見てしまうと、やはりそれはこどもたちの興味をそそる

「やりたーい」となる
まずはそうげんが、「くるっ」と巻いて「ぱくっ」と食べているのを見せつけた

つづいてタマがチャレンジしたけど、すぐに「あれっ、巻けない」とグズっている
その原因は一目瞭然だった
なんとタマは、巻きすに海苔なしでダイレクトに米をのせていたんだ

自分の目の前に「在る」海苔が、やつにはまったく見えていなかった
この場合の「在る」はちょいとまた違うけど、かわいいエピソードなので紹介しました

🔴在るもの

先週はじめた学校を絡めた、「大日向よりよく作戦」のお話し会を続けてみることにした
ひとりひとりと直接話すことがいちばん伝わりやすいだろうし、ぼくがどんな野郎なのかをいちばん知ってもらえると思ったんだ
時間をとってぼくにつきあってくれるわけだからぼくはしっかり準備しておく必要がある

学校のとなりの畑で麦まきの準備をしていると、そこに仲間が夫婦で話しに来てくれた

ぼくの想いは十分ほどで終わり、そこから仲間の意見や想いを聞く時間
イタリアのレジョエミリアってのは初耳だったし、ぼくの作戦を含めての「わくわく」を共有できることは価値があると言ってくれた
そしてその話しの中でのいちばんのポイントも、「どこを見るか」だった

こどもたちは敏感でよく見ている
不安を抱えたり楽しめていない大人の顔を、しっかりと見て育っていく
そこを見せることも含めて、先にあるわくわくする未来に向かっていってる途中としてなら、その物語はこどもたちにも見せてやりたい
そこにこどももがっつり関わって、そしていっしょにわくわくする未来をつくりたい

「あいついつもなんか必死にやってて、ちょこちょこ思いっきり笑ってるんだよな」
「知らなかったこといっぱい味わえるし、自分で創り出すことってたのしいなあ」
「むかし俺の通った村と学校にはひろしさんておっさんがいて、決まった仕事もしてなかったけど、それでたのしくやってたんだ」

ぼくはそんな風に伝えていきたいし生きたい

草に覆われて消えかけた田んぼ畑を整えて、見えづらくて感じにくくなったこの村のコミニティーをしっかりとしたものにする
「なんにもないところだからねー」と地元の人たちはいうけど、いま生きるのに必要なものはなんだろうか？
都会からたくさんの人たちが田舎に移り住むのはなぜなんだろうか？

「何にもないけど何でもある」
その「在るもの」をもっと明確にしていく
その「在るもの」をいいカタチでつないでく
その「在るもの」のおかげさまで、ぼくはこの田舎の村で生きていくことができる

つらいときにその中で「わくわく」を見つけ出すのは大変だけど、「あのときは大変だったなあ」と思ったことのある人なら、すでにつらさの中から明るい道に気付いたことのある人だ
あがいてもがいて、やっとそこを抜け出した人もいるだろう
意識ひとつで越えた人もいるだろう
どっちにしてもその先の「わくわく」を、「わくわくはどこだー、どこにあるんだー」って探していた方がたのしそうだ

「下を向いてもいいけれど、上も向いて歩いてみようよ」って話しでした

🔴たのしさの勝ち

はじめてだったかな？
すにちゃんがぼくちゃんとふたりで出掛けた
泊まりで帰ってこないことになった

そりゃやつらはさみしかったかもしれない
でも、さみしさよりも楽しさが上回っちゃえば、ただのたのしい夜の思い出だ
四人で近くの焼き鳥屋さんで宴したよ
普段はありえないような、ジュースにラーメンに焼き鳥なんてのもたまにはいいね

あたらしい環境やあたらしい経験は、ぼくらにあたらしい目線を教えてくれる

今日もたのしい匂いを頼りに生きよう
ではみなさん今日もめでたいいちにちを

五穀豊穣　子孫繁栄　
大安吉日や　さかいひろし
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