特別展「独眼竜 伊達政宗」
先週のことですが、福岡市博物館で開催中の特別展「独眼竜 伊達政宗」を観てきました。
仙台市博物館が休館中で、東北まで行かないとまず見られない伊達政宗関係のお宝が、はるばる九州入りした今回の展覧会。展示は前期、後期で入れ替えがあり、私が前期に行ったのは、国宝に指定された慶長遣欧使節関係資料の「支倉常長像」をどうしても観たかったからです。
まずは福岡市博物館の外観。3年ぶりぐらいに行きました。市立の博物館とはいえかなり大きく、展示室も広く、さすがは大都市福岡!という感じです。いつも博物館北口バス停から歩いて行くので、こちらは正面玄関ではなく、北口?でしょうか。
2階特別展示室の入り口はこんな感じ。キャラクターが出迎えてくれます。
伊達政宗と立花宗茂はともに1567年生、黒田長政は1568年生で、3人は「我ら、戦国同級生!」のキャッチフレーズの下でキャラクター化されています(^^;
展示の中盤でそれぞれの甲冑が一堂に会する、まるで同窓会?
それはさておいて。
展示は正宗の幼少期から時系列に資料が並び、なかなか見応えがありました。文書も多く展示されており、歴史ファンにも満足できる内容かと思いました。
中ほどまで行くと、伊達政宗、立花宗茂、黒田長政の甲冑や軍旗がドドンと展示され、迫力満点!
政宗公の甲冑はこちら。福岡市博物館のtweetより。
立花宗茂公の甲冑はこちら。立花家史料館のtweetより(写真右)。
宗茂公は推測180センチくらいの大柄だったそうで、甲冑も大きかったです。
黒田長政公の甲冑は「一の谷形」と呼ばれる(見るからに重そうな)兜と鎧。
写真は絵葉書を写したものです。
展示はまだまだ続きます。政宗公は文画を愛で筆まめだったらしく、母親や娘へ書いた自筆の手紙がたくさん残っているそうで、その一部が展示。スラスラと流れるような文字はなかなかの達筆と見ました。実母あての情愛細やかな手紙が残っていて、通説とは違い、母親との仲も悪くなかったのでは、とのこと。
また、政宗公は和歌や連歌、漢詩も得意な風流な一面があったそうです。
最後は楽しみにしていた、慶長遣欧使節関係の資料。
慶長遣欧使節とは、1614年に伊達政宗の命によりイスパニア(スペイン)国王とローマ教皇に派遣された使節団のことです。
詳しくはこちら。現在リニューアル休館中のサン・ファン館のHPより。
ちょうどキリシタンやこの時代のことを勉強していた私が、今回どうしても見たかったのがこちら、国宝「支倉常長像」。
福岡市博物館のtweetより。
*ちなみに、一般的には「支倉常長」で知られていますが、同時代に彼の諱を「常長」と記した例はなく、自筆史料の署名も「六右衛門」「六右衛門長経」とされているそうです。(Wikipedia参照)研究者によっては支倉六右衛門、支倉長経と書く方もいますが、今回の展示では一貫して「支倉常長」でした。
最後はイラストレーターさんによる武将画のコーナー。
特設ショップはありませんが、1階のミュージアムショップにオリジナルグッズなどがあります。展覧会専用の図録はなく、仙台市博物館の図録が置いてあったので、購入しました。
展示室の前にはキャラクターもいますが、中は本格的な歴史の展示という感じでした。平日昼間にかかわらず、結構人が入っていたので、観に行かれる方は早めに行かれた方がよいかもしれません。
なお、企画・常設展示室に入るには別にチケットを買う必要がありますので、ご注意ください。
私が行ったときは「黒田節」の歌で知られる、母里友信が福島正則に呑み勝って得たという名槍「日本号」が展示されていました。
初めて見た「日本号」。槍の柄と鞘に美しい螺鈿細工が施してありました。
豪壮なエピソードの槍があんなに美しいとは思ってもみませんでした。
*福岡市博物館の公式HPは以下です。