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【読書記録#26】自律する子の育て方

私の読書記録マガジンでもいくつか取り上げてきた工藤校長先生(元麹町中学校)の書籍。脳科学者の青砥瑞人さんと共に現代社会の教育に対する科学的な視点と実践が書かれた本です。

本書の内容全てがどの教育現場(スポーツ現場を含む)において重要。
とてもnote(2000文字以下)にまとめ切れません。(笑)
ここでは、当事者意識を育くむために不可欠な「スキル」メタ認知についてまとめていきます。

教育の本質

OECDの世界基準の教育指針(The OECD Learning Framework 2030)では2030年に理想的な社会を築く人材に必要な資質として主に3つあげています。それらの資質を獲得してより良い社会を築くには、一人ひとりの当事者意識(agency)が最重要です。

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現在の日本では以下のような課題があります。日本財団の18歳意識調査「社会や国に対する意識調査」になりますが、他国(8か国)と比較して当事者意識が圧倒的に低かったのです。

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教育の最上位目的が「社会で生きていくための力を身に付けてもらう」だとしたら、誰もが現在と少し先の未来の社会的ニーズを知る必要があります。これは育成年代のスポーツ目的にも当てはまると考えますので、スポーツ指導をする私たちも知っておくべき内容です。

当事者意識を育む

これから当事者意識を育むにあたりテーマになるのが、本書のタイトル『自律』です。自律とは何かは別の読書記録にも書いてますので割愛します。

その『自律』を育むにあたり、重要ポイントが2つ。

①心理的安全性
②メタ認知

「①心理的安全性」な状態で「②メタ認知」を養う

『自律』する子が育つ

当事者意識(agency)が高まる

とてもざっくりですが、教育の本質に迫るにはこのステップだと本書で捉えました。以下、なぜ「②メタ認知」が重要かをまとめます。※「①心理的安全性」はこの本に詳しくまとめています。

メタ認知

メタ認知とは認知心理学の領域で生まれた言葉ですが、本書の言葉を借りて定義すると…

自分を俯瞰的に捉え、自己について学ぶ機能

Pointは「①自己の捉え方」と「②自分について学ぶ」です。では、なぜ客観的ではないのか?自己を学ぶとは何か?をコチラに記載します👇

客観と俯瞰の違い

客観‥‥他人のように(ひとつの定点から)自分をみること
俯瞰‥‥他人のように複数の定点から同時に自分をみること

メタ認知は、自分について複眼的の視点からみつめる(俯瞰する)ことから始まる機能です。

今の自分を「A君から見たら…」「B先生から見たら…」「家族から見ると…」「昔の自分と比べて見ると…」「違う見方で考えてみると…」

そのように幾つもの視点から自己を捉えることで
自分に対する学びがスタートします。

内省

自分のことを対象化して認知する行為内省と言います。
いわゆる「自分と向き合うこと」です。

人は内省する機会を持てば持つほど、脳のなかで物理的変化がおき、確固たる「自己」という情報が造形されていくと言います。

自分と向き合っていくことで自己について学ぶことができます。

なぜメタ認知?

日本の教育の最大の問題は「子どもたちの当事者意識を育む」視点が欠けていることです。子どもが当事者意識を持った大人になれるかどうかの分かれ道は、結局のところ「どれだけ自己と向き合ってきたのか」の経験値によるところだと言います。

●うまくいかなかったら誰かのせい
●不満があったら誰かを責める
●押し付ける対象がよくわからないときはとりあえず社会や時代のせい

このような他責の発想も結局、自分と向き合う習慣がないためです。俯瞰的に自分と向き合う習慣をもって社会で生きていくにはメタ認知が欠かせません。

「反省しない」が出発点

自分を俯瞰的に見つめるときに気を付けたいことは
「反省しない」「自分を責めないこと」
そのためには親や指導者は
「子どもを責めない」「否定しない」を徹底すること。

なぜなら、本人が望まなくても子どもは学校や家庭、塾、クラスメイトなどから外部評価を洪水のように浴びているから。

メタ認知をする上で大切なのは、自分に関する情報や評価を「自己否定の材料」に使わずに、「自分の成長の糧」に変えていく意識の改革です。

他にも…

かといって、「叱ってはいけない・注意してはいけない」という極端な意味ではないので解釈にはご配慮ください。俯瞰的に見つめる際の気をつけたいこと、です。

他にもメタ認知について、個人的に「たしかに」と思った内容をpickupしてメモします


***MEMO***

・人間は五感で受ける情報数に対して意識を向けられる割合は1000分の1。つまり、外部情報が過多な社会に対して自己と向き合う内省は難しい。だからこそ意識的に自己と向き合うアプローチが指導者に必要。

・メタ認知を鍛える理想のテーマは「葛藤」。「葛藤」とは、意思決定のプロセスにおいて「両方とも正解だと思える選択肢がバッティングして答えが選びきれない状態」のこと。

「葛藤」は最強の脳トレ。「ああしろ」「こうしろ」と答えをすぐだし、子どもの「葛藤」に大人が介入すると意思決定ができない子に育つ。

メタ認知はメタ認知できる人しか教えられない

***

感想

もっともっと大事な部分があって、科学的なことや実践例もあったのですがやはり上手にまとめきれず…。

あとコーチングの重要も本書に綴られていました!
当事者意識を育むには指導者のコーチングスキルは欠かせません。

詳細は是非本書を手に取ってご確認ください!!


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