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『君を産みたし』

誰ぞ説くあまたの法に糞かけて我ら命を己が定めん

笑いしはほとばしりたる我が慚愧飲み込むごとく大笑いして

生き死にの境に君は銃を持ち我に伏せよと声発したり

朱き月群青の空に昇りたりどす黒くとも生きる心地ぞ

むなしきは歩み止めたるときなれば走りて擦れて命終えたし

死ぬことの憤怒を君は引きつれてわれに差し出すやさしき葡萄

我らにはぬるき恋なぞ遠雷のみちびく豪雨その中で燃ゆ

遠からずくる惜別も歳の差も永遠にはなれん彫り物なれば

身の内のさかまく雪に打たれしは火照る肌なり君と二人で

願わくば骨になりたる君の喉飲み込み来世君を産みたし

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卯月妙子
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