『鎌倉殿の13人』九郎
訪へな君喉を落ちたるさだめ持ち秋麦を染む奥州の朱(小四郎)
あどけなく笑みほとばしる才気をば託して己が別れ告げたり(九郎)
君が名を八幡大菩薩なりと人の言う新緑の葉のさやけきひとよ(九郎)
まだ青き木々の枝葉の姿して姿におわり兄に会いたる(九郎と頼朝)
人なくば腹から泣けぬ君の問う戦場で舞うわけし血の首(頼朝)
首となり帰りたり兄 おとうとと腑のえぐり出る愛しみを聞く(九郎と頼朝)
なかんずくば遅き早きもありはなし無常というふうに血を分けしため(九郎と頼朝)
策をしき世が定めかと唾を飲む最期の背なにぬかづく誠(小四郎)
なにゆえに絡む想いの只中でゆるせとこぼす我が子の寝顔(小四郎)
誠とは人と人とのそれぞれの懐中に刺す小刀ひとつ
生きたくば生きしかとそのおのおのの我が真にのみ死する覚悟か(静)
間際にて迸らせたる言の葉に絶命するはひとつただ愛(里)
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