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夫の料理~アナタ、本当に調理師資格を持ってるんですか?

こんにちは。

私の夫は、中学を卒業すると高校には進学せず、調理師学校へと進みました。
関西では、割と有名な調理師学校です。

そして調理師学校に1年間通い、夫は調理師の資格を手にしました。

「俺、実は調理師(の資格)持ってるねん」

と初めて聞いた時…
とても意外に思いました。

なぜなら、夫は調理師とは全然関係のない職種だったからです。

そんな夫ですが、料理をするのは割と好きです。
今も時々、自分で料理をします。

ただ、「料理が好き」と「料理ができる」では、大きな違いがあります。

「料理ができるか」と言われると…
包丁の使い方、下ごしらえ、盛り付けなどは「さすが元調理師」と思わせるものがあります。

しかし、夫に足りないもの…
それは、「味付のセンス」ではないでしょうか。

先日も、「雑煮を作る」と言って、夫は台所に立ちました。
そして、

「ダシが大事やからな」

と言って、だし素材の準備を始めました。

一人用の小さな土鍋に水を張り、昆布、ひとつかみの煮干し、干しシイタケ、白ネギの青い部分、ショウガ、ニンニク。

いやいやいや。
そこまでいらんやろ。

私は心の中で、激しくツッコミを入れました。
ですが、夫がこうなると、もう止まらないので…
放置しておきました。

夫の料理は信用できないので、私はいつも食べません。
夫が料理をする時は、私は違うものを作って食べるようにしています。

やがて土鍋からは…
えもいわれぬ「ダシの匂い」が漂ってきました。

複雑な香り、です。
決しておいしそうな匂いではありません。

夫は特に気にする様子もなく、雑煮の材料を土鍋に投入していきました。
そして味噌を入れ、雑煮は完成。

「それ、美味しい?」

と聞くと…

「うん、微妙やな」

と、夫は答えました。

まぁそうだろうな、と私も思ったのです。

さらに、別の日。
職場のお客さんから、採れたてのキャベツをいただきました。

「今日、俺、野菜炒め作るわ。あとチャーハン」

と夫が言いました。
ああ始まった、と私は思いましたが、したいようにさせることにしました。

夫はまず、キャベツを取り出しました。

「そのキャベツ、丸ごとあるから葉っぱを1枚ずつはがしながら、使って」

と私は言いましたが、夫はどうやら聞いていなかったようです。
キャベツの端っこから3分の1ほどを、切り落しました。

「え」

切ってしまったら、断面のところから傷んでくるやん…
文句を言いたかったのですが、もうどうしようもありません。

私は黙って、ため息をつきました。

夫はキャベツを切り、豚肉を切り、さらに冷蔵庫にあった玉ねぎを切って、フライパンで炒め始めました。

「オイスターソース、ある?」

と言うので、私は夫にソースの瓶を渡しました。

ほどなく、

「あ、やってもた」

と夫が言いました。

「どうしたん?」

「オイスターソース、入れすぎた」

あー…
たまにあるやつ。

そうです。
夫は時々、調味料を「入れすぎて」しまうのです。

その昔、私には、

「味付けは、薄味気味にするねん。最初から濃いめに味付けたら、後どうすることもできへんからな」

と言っていたくせに。

夫は味見をして、

「これは辛い。砂糖ある?」

と、顔をしかめました。

「砂糖?この場合、酒ちゃうん」

「いや、砂糖でいく。砂糖取って」

呆れながら、私は砂糖のケースを夫に手渡しました。

味の濃い、甘辛い野菜炒めが完成しました。

さらに夫は、チャーハンを作り始めました。
フライパンに卵を割り、炒める夫。

そのフライパンは…
さっき野菜炒めを作った時のまま。

洗えよ。

と私は思いましたが、まぁ夫のすることなので、放っておいたのです。

はい、予想通り。
「チャーハン コゲコゲ添え」が完成しました。

それでも夫は、味濃すぎの野菜炒めと、コゲコゲになったチャーハンを完食しました。

「やっぱり、普段から料理やっとかんと、アカンなぁ。たまに作ったら失敗するわ」

と、夫は肩を落としましたが…

「普段やる・やらない」というより、やはり味付のセンスの問題だと、私は思うのです。

#おいしいはたのしい

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