脳がクリアになって、前向きに|記憶の押入れを整理する
気がついたら、今年ももう12月。今までの仕事を手放し、新しい暮らしが始まった一年でした。
ここ数年、がんばって我慢することが自分にできることと思って、なんとかやり過ごしてきていましたが、いよいよ限界だったのかもしれません。体も心も、悲鳴を上げていました。
きっと、やれることはやった。次に進もう。
新しいことに取り組み始めてから実感しているのが、人を大切にするようになったこと。今までも大切にしているつもりでしたが、より感謝するようになりました。私と縁を持ってくれてありがとう。
なかなかの人見知りの私ですが、苦手だからと言ってないで、一歩踏み出して関係を作る。これからは、そうしていこうと思います。
今日は、回想を体験したKさんの感想を、ご紹介したいと思います。Kさんは、50代男性です。
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シャキーンと背筋が伸びる感じ。
Kさんに回想の感想を聞くと、シャキーンとしたとのこと。シャキーンって何?ときくと、どうやら背筋が伸びて前向きになったという事らしい。
ー なるほど、なるほど。それから他にありますか?
うーん。自分だけで思い出すのではなくて、第三者に聴いてもらったのが良かったんじゃないかな?
一人だと、嫌なことばかり思い出したり、後ろ向きに考えてしまうことが多いけど、他人に聴いてもらうと、客観視できるからか、大したことなかったかもしれないなとか、あれはあれで楽しかったなと思えたような気がする。
ー おー。その辺を詳しく聞かせて下さい。
カウンセラーさんに質問されて、それに答える時、それまで他人に話すことがなかったようなことを話す。話す場もなかったし、話す必要もなかったことを改めてきちんと話しますよね。そしたら、沈殿したいたものが…こう…うーん。
ー 沈殿…、沈殿とはどういう?
ゴチャゴチャをいったん取り出す。
うーん。例えば、押し入れの中って大抵、ゴチャゴチャしていますよね。そのゴチャゴチャをいったん取り出して、整理するような感覚ですかね。脳の中がクリアになったような感じ?
そしたら、前向きになった。自分は、ですけどね。
ー ふんふん。
人って分断しているんです。
子どもの頃ってみんな同じ経験を共有しているけど、大人になると共有する人がいなくなる。それは、家族とでさえも話す機会がほとんどないんですよね。今の生活のことや、こないだこんなことがあったよとか、その辺の話しかしなくなる。
ー なるほど。そうかもしれません。
それで、回想を聴いてもらって、かつてのことを話せると、楽しい気持ち、嬉しい気持ちになりました。何ででしょうね?(笑)
ー 何でですかね。なんか楽しいですよね。
人って分断するんです。普通に生きているうちに、生活も変わるし環境も変わるし、周りの人も変わっていく。そうしながら、今、ここにいるんです。でも、それが、話すことによってひとつにつながった。
自分にとって、その時代、その時代ってありますよね。子どもの頃、若い頃、就職してとか。通常思い出すときは、ひとつの時代だけで考えがちで、あの時は大変だったなあとか、あの時は楽しかったなあって。それが、改めてひとつにつながった。
そしたら、自分は自分なりに生きてきたなって、感じました。ここで、どう思うかは、ひとそれぞれだと思いますけどね。自分はそうでした(笑)
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今年の冬は、12月に入ったというのに暖かな日が多い気がします。この日も、公園のベンチに座ってインタビューをしました。Kさんは、あまり日ごろから話すタイプではないようです。でも、回想中は、色々な思い出をたくさん話して下さったのを、思い出しました。
「とにかく、これからもやっていこうと思いましたよ」とKさんは言って、今回のインタビューは終了しました。
Kさん、ご協力ありがとうございました。
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ここまで読んで下さり、ありがとうございました。
たどる舎では、回想を通して人生の振り返りをお手伝いしています。
こんな時間があってもいいですよね。ぜひ、体験してみて下さい。
たどる舎
おかもと