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Art guide: cinema「シビル・ウォー」

アマゾンプライムで映画の「CIVIL WAR」が公開されたので、さっそく視聴。一度は観たいと思っていた映画。映画館にいつか行こうと思っていたのだが、予想外に早く自宅でも観られるようになった。

想像していたほどには面白くなかったが、それでも一見の価値がある。映画の評価云々もそうだが、そもそもアメリカが内戦状態になりアメリカ人同士が殺し合うというこういう映画を作れてしまう、というところにアメリカの懐の深さを感じる。映画がアメリカで公開されたのが今年の四月。当然、アメリカ大統領選があった年。アメリカの分断が叫ばれる中で、本当にアメリカが分断した場合の最悪のディストピアをここまで生々しく描いてしまう、しかもそれが全米でも大ヒットを飛ばすと言う、このあたりの力強さは凄まじい。最悪の現実をエンタテイメントとして描き切り、直視した上で、そのような現実を起こさないための施策をどのように立てていくのか、という思考法は非常にコンサル的でもあるなと思う。この映画の日本におけるカウンターパート、つまり最悪の現実が起きた場合のシミュレーションを緻密に描いた日本映画として思い起こされるのは、「シン・ゴジラ」だろうか。

なお、監督のアレックス・ガーランドだが、調べてみたらデビュー作が「エクス・マキナ」だった。この映画はかなり面白いです。人工知能を扱った映画の中でも秀逸の作品だと思う。

それから、現代もしくは近未来を舞台とした上で、最悪の現実が起きた場合に社会がどうなるかをシミュレーションした系の映画の極地の一つが、数年前にネットフリックスで公開された「Don't look up」。レオナルド・ディカプリオが主演で、最後は隕石の衝突で地球が滅亡する話。

小松左京の『日本沈没』も読んでみたくなってきた。

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