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伝説の焼肉屋

今住んでる所から少し歩いた所に焼肉屋がある。

実家は全然別の場所にあるのですが、焼肉屋の前の道路は昔は渋滞の抜け道として使用されていた為、小学生の時に野球の試合でよく通っていた。

当時、チームメイトの何人かが店に行った事があり美味しいと言っていた焼肉屋。

たまたまその近所に住む事になったのだが、その事はすっかり忘れていた🙄

たまたま散歩してる時に見つけて思い出すも、見た感じ店構えはそのままだが流石にもうやってないだろうと思った。

国道から少し入った田んぼの中に店があるのに国道に看板を出してる訳でもなく、国道は片道二車線になった為、抜け道として利用する人もいない。オマケに駐車場もないのだ。

その後まだやってるのかどうか少し気になっていたので、何かの用事の帰りに店の前を通ってみると、なんと!看板と店内の電気がついている!😳

次の日早速嫁と子供を連れて行ってみる事に。

店に入るとおばあちゃんが1人テレビを見ている。

「3人で小さい子供おるけどよろしい?」

少しの間があり

「いいですよ。好きな所座ってください。」

座敷にテーブルが4つとカウンター。昭和のテーブルクロスに卓上コンロ。

このレトロ感は完全に自分の好きなやつや!😳

期待に胸を膨らましながら壁に掛かってるメニューの木札を見て頼むものを考える🥸

しかしこの辺から雲行きが怪しくなっていき⋯

おばあちゃん座敷に上がってガスの元栓捻ろうとするもやりきれず🥺なんか足元も手元もヨレヨレしてる🥺

きっとこのおばあちゃんは商売云々はどうでもよくて、ずっと旦那とやってきた店を少しでも長く続けたいとか、毎日やってきた生活のルーティンを崩したくないとかそういう類の人なんだろうと感づく。

「おばちゃんガスここやろ?俺やるから大丈夫よ。火もやっとくわ」

おばあちゃんも自分で出来るなら「大丈夫」となる所だが本当にキツいらしく

「じゃあお願い」

とチャッカマンを手渡してきた。

色々頼んだろうと思っていた計画を変更しハラミとキャベツと子供のご飯と飲み物だけ頼む事にする。

「おばちゃん何も急いでないから運ぶのあったらここ置いてや!ビールとグラス自分で取っていい?」

おばあちゃんには肉とタレの用意だけに専念してもらい、他の事は手伝いながらメシの支度をしていく。

一通りの準備が終わったのでおばあちゃんに所定のテレビの前に戻ってもらい、いざ実食😍

「美味い❤️」

肉は勿論なのだがタレが美味い😍なんか色々刻まれた薬味が入っていてはじめて食べるタレの味✨追加せずにいけるように多めに頼んだ肉があっという間になくなる。

「おばちゃんめっちゃ美味いわ〜」
「そう?」

おばあちゃん少し嬉しそうにしている。

その後自分が食べるであろう新しい佃煮の瓶を子供の為に開けてくれ、食後にはコレまた自分が食べるであろうプリンを子供に振る舞ってくれた🥺

暖かいお茶を入れて頂きおばあちゃんと世間話してるとガラガラっと店の扉が開き

「おばちゃん今からいける?」

と新たな客がやってきた🙄振る舞いからみて一見さんではなさそう🙄

「何人おるの?」

おばあちゃんが聞くと

「7人」

それを聞いたおばあちゃんの血相が変わり

「無理やわ!見たらわかるでしょ!」

と店内を顧みる。自分と目が合うも苦笑いしか出来ず🤣

1日1組というローカルルールを知ってる感じのその客は

「あ〜ごめんごめん!また違う日に寄らしてもらうわ」

と帰っていった。

「ごちそうさん!おばちゃん洗い物カウンターの上にまとめたけど洗おうか?」

「ありがとう。でも自分でええように片付けるから大丈夫。」

自分のばあちゃんを思い出す🙄じいちゃんが死んで抜け殻のようになってたばあちゃんも「よかよか。あたいが自分の好きなようにすっけんよかよ。」と片付けだけは手伝わしてくれなかった🙄

支払いをして店を出る。

その後また行きたかったのですがコロナ禍の為行く事が出来ず、コロナが終息後に何度か店の前を通るも店の灯りは消えたままです🥺

納得して店を閉めたのか、やむにやまれずだったのかはわかりませんがまた食べたいなと思う味🙄

1回だけだったけどおばあちゃんの店で食べれて良かったです!

「ありがとう!おばあちゃん!✨」







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クロイケサン
ありがたや~

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