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【日記】ロボットが作った精神衛生上よろしいパン
朝、ボーッとテレビを見てたらパンのCMが流れていた。
綾瀬はるかが丁寧に生地を捏ね、美味しそうなパンを焼き上げるといもの。
↓YouTubeにあったので貼っておく。↓
このCMの下に出てるテロップが目に付いた。
※CM上の演出です。本製品は自動化されたクリーンな工場にて、衛生管理に配慮し製造しております。
すごいな。
綾瀬はるかの手作りであるという誤認を避ける意図ならわかるが、ここまで衛生とかクリーンとか言うってことはこの映像を見て「手作りって素敵だなぁ」ってより「手作りってクリーンじゃねぇなぁ」と思う奴が一定数いることを見込まれてるんだ。
確かに、せっかくの女優さんの顔隠すわけにいかないからノーマスクだし髪出てるし、人に売る食品作るにはガバい衛生管理ではあるが。
…いや、そこに対する弁明だとしたら『自動化された』はいらねぇのよ。
総じて、そもそも食品の製造にヒトが介在すること自体が不衛生だと思ってる相手を想定してるようにしか見えない文章。
産業革命以来、工場で大量生産されたモノはなんやかんやと理由を付けて手作りの品に劣るとされてきたが、ここにきてその観念に逆転現象が起こりつつあるのかもしれない。
代謝せず、失敗せず、悪意を持つこともないロボットにこそ真のクリーンさを見出す人類。
話が少し飛ぶが、僕が人生訓としている
『ハンロンの剃刀』という考え方がある。
Never attribute to malice that which is adequately explained by stupidity.
無能で十分説明されることに悪意を見出すな。
無能という言い方はキツく聞こえるが、要は「単純にミスっただけなのかもしれないんだから、相手に悪気があったと決めつけちゃダメだよね」ってのをカッコよくまとめた言葉だ。
例えば誰かに挨拶を無視された時、「あの人に嫌われてるのかも!?」じゃなくて「あの人の耳が無能なのかも!!」と考えた方が精神衛生上よろしい。
(ちなみにガチ嫌われだったとしても別に問題はない。そいつからのダメージを律儀に受け取ってやる義理はないから)
近年の社会を見るに、みんな悪意に対して敏感になりすぎてる気がする。
SNSでの炎上とか、陰謀論とかも根っこを辿れば「きっと悪意があるはずだ」という被害妄想的な思考に端を発している…とまで言ったら大袈裟かもしれないが。
で、こういう社会にロボットとかAIによる自動化ってものすごくフィットするんじゃなかろうかと。
人間を相手にすると不都合が生じた際どうしても「わざとやってんじゃないか?」とか「楽したいから手を抜いてるんじゃないか?」みたいな疑念の余地が生まれる。
その点機械が相手なら、みんな無理なくハンロンの剃刀を振るえるのではないか。
悪意がないのは自明だ。なんせ自我も意思も欲望もないのだから。
疑念に喰われる脳のリソースが不要になるというのはかなりデカいメリットだ。
特に食品製造の面では、ロボットの身体性と精神性(?)の両方にこのメリットが乗ってくる。
髪の毛や唾が入ることはない。その心配をするリソースが浮く。
悪意を持って何かを混入させることもない。その心配をするリソースが浮く。
結果、すごく脳に優しいパンが焼き上がるという…
…なんか思いついたことタラタラ書いてたら長くなったし自分でも何言ってんのかよくわからなくなってきたのでこの辺でやめる。これが一番脳のリソースを無駄遣いしてるかもしれない。