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【日記】我々はどこへ''至る''のか
こんな↓漫画↓がバズっていた。
「ドカ食いダイスキ!もちづきさん」。
主人公のもちづきさんは、
食事をドカ食いすることによって幸福を得るタイプの女性だ。
皿いっぱいに並べられた食べ物
それをただひたすらに貪る時間
そして完食した末に"至る"多幸感…
これに勝る愉悦が他にあるのでしょうか?
健康的ではないかもしれんが、概ね同意する。
気になったのはこの『至る』という表現だ。
作中でもちづきさんはこの言葉を多用する。
血糖値上がりすぎて
"至ってしまう"ところだった…
まさか出勤中に
"至る"なんて…
彼女はドカ食いによって「満腹と高血糖で酩酊する」状態のことを『至る』と呼んでいる。
独特な言語センスに思えるが、実際に「至」の字を使った『至福』という熟語があるし、『至れり尽せり』なんて表現も多幸感を連想させる。
なんとなく「至る」という表現には、『どこかを目指して到着する』みたいなニュアンスを感じる。
辞書的な定義はどうなっているのだろうか。
1 ある目的地・場所に行き着く。到達する。「峠を経て山頂に—・る」
ググると真っ先にこの語義が出てくる。
直感通りだ。
この漫画では食欲に関してしか扱われていないが、他の「欲求の充足」を「別の場所への移動」と結びつける表現もある。
例えば性的快感の絶頂を『行く』とか『達する』と表現することがある。
(下品ではあるが、あくまで一つの日本語用例として挙げた。不愉快に思われたらすみません)
また薬物による酩酊状態のことを英語では『trip』と言うが、これは直訳すれば『旅』となる。
人間の頭の中では「幸福」と「移動」が結び付けられているんじゃないだろうか。
逆に言えば、「ここにいては幸せになれない」という強迫観念なのかもしれないが。
思えば古くから、居所の移動を伴う幸福観は数多く存在した。
死後に天国へ行くとか、浄土へ行くとか…
「オラこんな村イヤだ」的スピリットが心の底にセットされてるんだよ、多分。
…っていうね。
思いつきです。思いつき。