どうしても直垂が着たかった〜鏡の里元服式に参加して〜
去る2023年3月11日、滋賀県竜王町にて開催された鏡の里元服式に参加してきた。
竜王町は源義経が元服した土地である。
平治物語において源義経は奥州へ向かう道中の鏡の宿にて平家の追手から逃れるために稚児の姿から成人した姿へ変えた。つまり元服した。その鏡の宿があるのが竜王町である。
奇しくも前回の記事の平家フォーラムが行われた野洲市とは隣にある町である。なんなら鏡の宿と宗盛が斬られた篠原宿はかなり近い場所にある。竜王町から市町の境を経ると立ってるのぼりが白から赤に変わる。
義経が元服した3月に毎年元服体験が出来る式典が催されてきたのだがコロナ禍もあって3年ぶりの開催らしい。開催されるタイミングで歴史に興味を持ったのが運が良かった。
13歳以上ならば還暦の人でも参加できるとのこと。
自力で元服の仕方を調べたものの様子がいまいち分からなかったので自分で試すしかなかった。
それもそうだが私はどうしても直垂が着たかった。
本式典では女性は白拍子の姿、男性は直垂を着ることになる。私は白拍子を着る手筈だったが直垂をお願いした。頼んだら普通に選べました。白拍子は水干だから男装っちゃ男装なんですけどね。多分袴は女性用の仕様です。知らんけど。
女房装束よりも直垂や狩衣の方が着たいんだよな。なんかかっこいいし。女房装束もそれはそれで可愛いんだけどね。
もしかすると現代向けに仕様が変わっているかもしれない。装束の名前は自分で調べつつ書いたので②は「多分」小袖です。
(襦袢と帷子と単の違いがよくわからない)(あっでもこれは襦袢って呼ばれてました)
直垂の上から袴を着ます。束帯などのように上の着物を外に出さない。あと上下同じ色と柄。
鎌倉殿で義時が来てた装束ですね。ちなみにどうする家康(の12話くらいまで)で家康が着ている直垂に似てる装束は素襖(すおう)。
さていよいよ元服式。まずは斎業(渡り)。着替えた道の駅から鏡神社に移動。
まず神様にご挨拶申し上げまして
式典。自分の髪を犠牲にする訳にもいかないのでそこは「フリ」である。ここで髪を結い上げて髻(もとどり)を作るのかな?と思ったけど小刀?
この刃物は前髪を落とすために刃物を使うらしい?前髪?てっきりオールバックにできるほど前髪も横髪も長く伸ばしてると思ってたけど切るとこあるの?流石に切らない?しまった。わからない。(ここ知りたかったポイント)(無理でした)
そして加冠。例年だと直垂には侍烏帽子だったのですが今回は立烏帽子。直垂に立烏帽子という格好は室町時代くらいの頃ならば別段変ではなさそうですね。
儀式の後は記念品をいただきました。巾着に小さな鏡がくっついてるもの。
「心の鏡を磨き、人の鏡となっていく。」そんな思いの込められた鏡でした。理想の成人像です。こうなりたい。
そうそう、袴なんですけど着る時に何か隙間が見えた気がして後で確認してみると……!
これは男装でもしない限り女の私には辿り着けなかった真相!
儀式終了後、今様を見ることも出来ました。これも楽しみにしていたこと!
調べはゆっくりめ。
腕をグルンと振って袖を腕に巻きつけたり、長袴を引きながら足を踏み歩んでぐるっと方向転換する。
とても充実した日でした。直垂着れたし烏帽子被れたし!
ありがとうございました!