音楽教育の話
私と親しくしている在英夫人の方が書いていた記事
1980年以降、英国での公立学校教育から美術と音楽が消えたという事。
コレかなり衝撃的でした。
とはいえ私は実は小学生から私立だったので
日本の公立学校教育の実情は全く知りません。
ですから私が感じる衝撃はちょっと特殊かもしれません。
むしろ私の育った小~大一貫私立校の方がかなり特殊な学校でした。
英数国理社の主要5科目以外の科目の比重が異常に高かった事です。
美術、音楽、演劇、体育、農作業に多くの時間が割かれます。
英数国理社の比率は相対的に低くなるので
受験市場における偏差値は低めです。学力は若干低めではあるものの
何でも出来る弱点の無いオールラウンドな人間を育てる環境です。
その中でも音楽の比率が異常に高いです。「歌に始まり歌に終わる」
というのがコンセプトの学校なのでとにかく歌います。
なにしろ校内の恒例行事で毎年、ベートーヴェン交響曲第九番歓喜の歌を
全校生徒の四部合唱で歌います。オーケストラ演奏も生徒で演ります。
私は小6でオーケストラ演奏での第九に参加させて頂く機会を得ました。
学校にベートーヴェン像があります。
音楽演奏用のホールがあります。大学には音楽専攻科あります。
私が5歳からヴァイオリンを習っていたのはこの大学の
ヴァイオリン専攻の教授でした。
とはいえもし仮に私がヴァイオリンを習っていなかったとしても
音楽が日常的に有る人生を歩んでいた事でしょう。
実際に中学から部活でヴァイオリン、チェロ、コントラバスを始めた後輩が
その後はプロになりました。そういう環境だったのです。
学校教育の場から音楽が無くなって学力が高くなるかもしれませんが
自分の経験上、オールラウンドな人間である事は武器になると思います。
経験は掛け算で効いてきますからね。
主要5科目だけでは経験の掛け算の要素があまりに少ないです。