見出し画像

音楽は一期一会

音楽の聴かれ方は時代とともに大きく変わってきました。
現在では電子データ化された音源を
月額制のサブスクリプションで聴くのが一般的ですよね。
平成の時代はCDで聴くのが一般的だったと思いますが
買うか、Tsutaya等でレンタルしPCでリッピングしてiPodに移して聴く。
昭和の時代はレコードを買うか友&愛等でレンタルし
カセットテープにダビングしてラジカセやウォークマンで聴く。
こんな感じだと思います。

レコードやカセットはCDと違い、曲飛ばしが出来なかったので
アルバムは全曲通し聴きしていましたし
アルバムの中間部でレコードやカセットを裏返す作業を伴ったので
20~30分で小休止する感じで聴いていました。
CD以降は好きな曲だけを選んで聴く曲飛ばしをする様になりましたし
SpotifyやYoutubeMusic等のサブスクは無料会員だと自分で曲を選んで聴けず
オススメされたものを流し聴きする感じになります。

さて時代を大きく遡ってクラシック音楽が大衆にも聴かれるようになった
モーツァルトやベートーヴェンの時代は音楽は一期一会だった人が
ほとんどではないでしょうか。一曲を生演奏で一生で一回だけ聴く。
こんな感じだったと思います。
私は交響曲を譜読みし、何度もリハを重ねて本番で弾いて
ようやく「こんな曲だったのか!」と理解する事も多いのに
当時は一回の生演奏の視聴で曲が評価されていた訳ですから
当時の人達の音楽の聴き方は、集中力を研ぎ澄まして聴いていたのか?
逆に音楽はその場限りのものと割り切ってライトに楽しんでいたのか?
私にはわかりませんが
一期一会の音楽として弾き、一期一会の音楽として聴くのが
正しい姿なのでしょうね。

さて現在のサブスク時代、音楽家にはほとんど収益が入らないため
ライブ活動をメインに舵を切って、サブスクはプロモーションと割り切り
実際の生演奏のチケット販売を生業とする姿に回帰しつつ有り
便利になりすぎた事で逆に音楽が一期一会に戻ってきているのは
興味深い現象ですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?