![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13099748/rectangle_large_type_2_70995546085f692f12e4dddfb9e3592d.png?width=1200)
ガンジャ先生。6-4
補う仲間たち
久しぶりに早く寝たせいか。。。
目覚めは最悪だ。
Krewella - Alive
まだ暗いうちに起きた僕は。日が指す朝日が憎い。
少し前の事を思い出す。
ああ。ずうっと夜が続けばいいのにな。
ずっとこうしていたい。。。
「ドッカーン」
「( ○∀○)・∵. グハッ!!」
歩がいきなり飛び込んできた。。
なんて痛い。。てか鳩尾食らった。。
「ほらほら♪研修の朝は早いぞ。起きて〜♪」
僕は何答えない。
歩は俺の上に片膝立てて乗っかる。
歩の膝はいい位置に入っていた。。
「もー匠!寝てても始まんないぞ!今日はプールだ!起きろー匠〜♪」
「おはよう。匠君。あ、歩ちゃ。。。そこいたら喋れないかも」
僕はこのまま天国にいくのか。。空気が吸いたい。。
あ、天使っていたんだ。。。
「きゃー匠の顔ヤバくね!?」
歩がどいたとき。空気のありがたさが身に染みた。
こいつ絶対いつか泣かすと心に誓った。
□□□
昨晩どこか合わない二人が真剣に話しあった。
「匠。。落ちてるよね?」
「う、うん。食事好きそうだったのに来なかったし」
「昔茜がそうだったんだ。そのあと何か鬱みたいになってさ」
「何言ってもベッド部屋からでなくなったの」
「それって。。今の匠君状態?」
「可能性が高いから、雪ちゃんに相談したの。。何かあった?」
その言葉を聞いて私ははっとした。
答えられない。し、そういう状態はわかった。
立ち直るにも時間がかかる。
「ちょっと話をして。。。私ひどい事言ったかも。。」
歩は感づく事があったのかもしれない。
「じゃーさぁ。明日。一緒に匠起こしにいかない?じゃないと出てこないよ?」
すごくわかる。歩はきっと匠君の事が好きだ。
そして私も匠君の事が好きだ。
「一緒に、起こしに行こっか♪」
笑顔で答える裏腹で。。負けないから!私も!と。
その日私達は共闘し、またライバル宣言する。
言葉に出ないけど。あっちも理解するはずだ!
女達の戦いは始まる。。。
□□□
朝早く起こされた僕らは近くの朝食べれる所に移動。
タツヤもねみぃ~とか言ってるが、その前に鍵くらいしめて寝ろ。
朝はパンとハイテンションでオムレツ作る屋台を見ながら食べた。
・・ここらってどこでも勝手に家の前の椅子とか座っているけど。。まぁタイだしいいか。
講習が今日も始まる。
5日目は少し曇った空から始まった。
午前の講義も問題なく、テストらしいものがあったが、流石にでるとこ言ってたので。。
機器をいじったり組み合わせたりもし、本格的に潜るイメージがわく。
「うう。。何だっけ。。大丈夫かな」
茜は相変わらずだが、みんな大丈夫だと思う。
昼はホールの近くにある違う食堂らしきところで取る。
僕は久々にガパオライスを食べた。
プイ先生が少し安心したように声をかける。
「お腹なおッタみたいネ?心配しました」
「昨晩は迷惑をおかけしました。大丈夫です」
「だねーそんだけ食べれば♪」
「うんうん。昼からプールだって。やっとそれっぽいね」
「水着みんな準備してね。ケイお願いね♪」
食後にプイ先生は正露丸を渡してくれた。
ありがとうと答え、一度ロッジ行く。
水着に着替え、プールの講習が始まる。
未亜は家から持って来たのを着ているのだろう。
サイズバッチリの少しフリフリのあるワンピース。
幼さは際立つけどあれはあれでかわいい。目が大きいんだよな。
委員長は意外にもビキニの黒。
それ以上に肌が白いのが驚いた。
照れくさそうにしている仕草もポイントが高い。
茜と歩もビキニだが、明るいオレンジ系。
茜はスカートぽいのもついてる。
あ、胸意外と茜もあるな。。二人でキャッキャしてる。
僕ら男子はトランクスで楽だ。
まあ半パンが水着に変わったくらい。
「匠君、評論は終わったかな?ではみんなウェットスーツを着て〜」
ケイさんは僕を観察してるのか。。
通常ウェットスーツは長袖だが、僕らのは半袖6分丈くらいの仕様だ。ゴムっていうか、なんていうか。
キツキツだけど、それなりに温かい。
濡れてるけどそうでない感じで不思議だ。
プール講習はみな順調に進んだ。
そこまで大きくないし、深さがちょいあるくらいで、泳げない僕も問題なくできた。
ある程度慣らしたあと機器を背負う。うっ、結構思いな。フィンもつけ全身装備になるとまさにロボットみたいにしか動けない。
「。。匠君。立てないよぅ。。」
茜がこっち見て座った状態からうるうる。
ボンベを持ち上げ、立ち上がらせれると落ち着いた。
「ありがと!重いな。。これ」
その状態で移動はみんな苦戦していた。
けどまあプール入って行くとそれも気にならなくなる。
「少し深い所いくので、耳抜きーやった通り思い出して」
耳抜きはよくわかんなかったが、少し圧は感じた。
一通り終わるといい時間なった。
道具収めつつ明日持って行くので番号覚えていてね。と。
明日の予定と船で昼からでる。
ふぅ。なんとか終わったな、それが2日目の印象だった。
晩ごはんを食べに戻っていく。
□□□
晩ごはんは昨日とは異なり、ホールの近くでみんな集まった。
明日海だし、そこまで疲労を貯めないためでもあるらしい。
タイ料理のオンパレードだ。
プイさんにメニュー任せばどんどん来る。
野菜を主としたものから、唐揚げぽい、トムヤムクン、野菜炒め、そしてピザまで来た。
ピザは少し何か違ったが美味しい。そして辛い(笑)
「明日は本番デスネーがんばってくだサイ♪」
「あ、後で湯船入れたのデ〜順番でドウゾ」
「ヤッター!」
と女性陣が騒ぐ。あれ、そういえば湯船に入ってないな。
「ヤッター」と遅れていうと、
「男子はシャワーだけ。バスタブないデスネ」
そんな。。まあシャワーだけでいいけどね。
ワイワイ食事をしてると、3人日本人が来た。西田さんとケイさん、そして男のイケメンさん。
「明日よろしくねーあ、彼は田辺君。静かだけどよろしくねー」
田辺さんはクールな感じの大人の人だ。
サーファーって印象が強いけどいい先生みたい。
ケイさんと少し話して、また明日とその場を後にする。
少し肌寒く感じたのは天候のせいだろうか。
明日に低気圧がぶつかるらしい。
タオの島は静かだが、少し木々がザワついていきだした。
次の日、初めて海に行く。
僕のトラウマは消えるのだろうか。
□□□
食後、不意に目があい、ニコッてされた。
女子同士は久々の湯船で盛り上がっている。
「歩ちゃん、買い物行こうカ?みんな先お風呂入っててー」
プイ先生が仕掛けてきた。
私は「は〜い♪茜、先に入ってていいよ」
といい一緒に外に出る。
風が少し強くなったようだ。
雲も思った以上に厚く感じる。
島独特の湿度がさらに濃くなった気がする。
「プイさん、バスの事ですが。。」
「無理に聞カナイョ?タダ、同じ事を見たことアルノ」
「?私の事ですか?」
「アユムちゃん、あの時意識アッタ?」
「いえ。。ちょっとボーッとして。。やな部分がでたかと」
プイさんは笑顔でこちらを向き。
「先に買い物してから話そッカ♪」
と暗い道を歩いていく。
特に買うものはないと思ったけど、お菓子や、ジュース、また6本入りのゾウさんのビールを買っていた。
暗くなると道沿いに休む場はあるが、人通りは少ない。
食堂や宿でゆったりしてるのだろう。外人の姿も減った。
プイさんは適当な場所に座り「ハイ」とビールを渡す。
「。。。いただきます」
ビールはかわいいゾウとは裏腹で、濃いアルコールの味がした。
「まず言っておくネ。私はアユムの100倍セックスシテル。」
ブッ!と危うくビール吐き出しそうになった。
「な、なんですかそれ。フフフ。。アハハハ!」
「本当ですョ。13歳から水商売してるシ。だからいろんな人知ってるノ」
カタゴトに聞こえるけど、プイさんはしっかりと説明した。
薬に逃げる人、お酒に溺れる人、男に依存する人。実家に逃げて帰る人などいろいろだ。
「たぶん、アカネはヒドイ思いした。かな?そして人格を作る。。チガウ?」
「お、驚きました。たぶんそれです。。私エッチなのかな?時々無性にしたくなって。。わかんなくなります」
「エッチなのは悪い事ではナイデス。喜ばすのも技術デス。だけど、人のセイにしてはダメ」
「!!」
「ソレは誤魔化してる事デス。自分に嘘をつくと。。つき続けると人はコワレマス。。」
「本当に性格が分離スルノデス」
プイさんはけっして怒っているのでなく、知ってる事を淡々話していた。
「そうですね。。私嘘ついてたんだ。。自分に」
「自分のした事は忘れても必ずどこかで。思い出しマス。だからまず受け入れマス。私はエッチをするのが大好きデス!ト」
「・・そこまでは」
「アハハ、でも人間みんなドコカソウデス。サビシイ、カナシイ、クヤシイそういう事を忘レタイ。だから体を求めマス」
「はい。。そんなもんですか」
「ソンナもんデス。でも!どこでも求めてはダメですョ?」
「はい。。ごめんなさい。もうしません。プイさんもそういう事はあるのですか?」
「んーもう若くないので。。損得のが先にデマスネ。マネー大事♪」
「ブハハハ!なにーそれー!」
流石に我慢できなくて大笑いしてしまう。
プイさんはあれ?って顔をしてるけど、一緒につられ笑いだした。
笑い飛ばしたあと、二人は落ち着いて、
「みんなのところに戻りますカ?」
「ハイ!ごめんなさい!プイ先生!」
と私は一緒に手を繋いでロッジに戻る。
「プイさん?岩屋先生とも。。その。。したのですか?」
「タイプじゃないのデ。。。」
「ブハハハ!」腹がイタイ。ヤバいw
「。。親友の彼氏が岩屋さんでシタ。すごく仲良かったデス♪」
先生とプイさん時々付き合っているのかな?とか思ったけどそうじゃないみたい。
私は少し前の頃を思い出した。
快樂に溺れるだけのセックス。
終わった後も体が熱る。
それもこれも全部私だ。仲良くしていかないと。ね。
その晩女子会ならずお菓子パーティーをロッジでやった。
それぞれみんな理由はあるんだと思う。
私にも闇の部分はある。プイさんもある。
でも大きなベッドで枕を投げあい、半泣きの茜と一緒に遊んでるこの時は。とても楽しかった。
化粧品を零してユッキーにマジ怒られするまでは。。
いいなと思ったら応援しよう!
![🇹🇦🇨🇹](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/12767791/profile_e12b02cd5351c730422fe98d31193b68.png?width=600&crop=1:1,smart)