〈32〉ジャ〜ン!16年目にして柚子が大豊作/ゆずジャムはブルーベリーを凌ぐ完成度!
モモクリ3年カキ8年とは聞くが、まさか柚子がここまで実をつけないとは思わなかった。家を建てたとき「自家製の柚子胡椒をつくろう!」と思い立って、柚子の苗を玄関横に植えた。西側で夕日しか当たらない場所だから、成長に時間がかかるのは覚悟の上だった。が、本当に待てど暮らせど実がつかない…。上背は伸びたし、葉も茂っているのに…。やっと3個だけ収穫できたのが13年目。そのとき初めて「桃栗3年柿8年」の後に、「柚子の大バカ13年」という続きがあることを知った。柚子も私も大バカだった。
で、2021年、秋。16年目になった柚子が、なんと大豊作。40個以上も鈴なりだ!すでに夏には小さな濃い緑の実がついているのだが、茂った葉と同じ色で見分けがつかなかった(老眼なもので)。次第に黄色くなってきて、初めてその多さに驚かされたのだ。しかも、立派なサイズ!Nさん(オット)と狂喜乱舞した。
しかし、ここで問題が。黄色くなった頃には、唐辛子はすでに赤い。こちらも毎年、高菜や白菜の漬物用とかピリ辛料理用とかに、菜園の隅に植えて収穫している。来年は柚子胡椒用に青いうちに収穫するとして、今年の黄色いゆず40個をどうしようかと思案した。皮を薄く削いで酢の物や汁そばに添えたとしても、そんなに数はいらない。料理屋じゃないんだから。浮かんだのはジャムである。柚子ジャムにして、残りは冬至の柚子湯にして、正月のおせち用に2、3個あれば上等!だ。
が、ジャムでは痛い思いをしている。〈30〉で書いたブルーベリーが固まらなかった件が頭をよぎる。が「柑橘類はペクチンが豊富だし、心配しなくても固まるって」と心のどこかで軽〜く考え、ネットで見つけたレシピを参考に作った。柚子1kgを用意するには8個必要だ。これをすべて半分に切って果汁を絞ったら、あとは皮を薄く削ぎ取りひたすら千切りにする。皮を3回ゆでこぼしてアクを抜き、果汁とタネ(ティーバックに入れて)と砂糖と一緒に煮ればヨシ。
が、レシピ通りに作ったのに、固まらない…。呪われてるんじゃないかと思った。ブルーベリーに続いて柚子もかいッ!しかし、出来上がりは美味しい。ほどよく甘くて酸っぱくて、柚子の香りが最高だ。だって柚子とキビ糖だけのビュアな材料だもの。美味しくないわけがない。あとは固まれば満点なのだ。
そう考えて、またまたネットを探した。柚子の果肉を包む小袋をミキサーにかけて加えると固まる、というレシピだった。そうそう、それそれ。いくらタネをたんまり入れても、果汁と皮だけじゃ固まらないんだ。次の8個を使って、同じ下ごしらえのあと、小袋と共にふつふつ煮た。ミキサーにかけた袋の部分は白いぽってりしたかたまりだが、やがて透き通り、金色のジャムに溶けてゆく。
味見をすると、もう最高のできばえ。早速、お昼のトーストにバターをたっぷり塗り、ジャムをしこたまかけて食べた。酸っぱさ甘さの加減がちょうどよくて、パン一枚食べたぐらいじゃおさまらない!う〜ん、こういう仕上がりになるなら、1回目のゆずジャムも、材料を足して作り直せばいい。で、さらに8個を使い、失敗作を加えて煮てみると、あ〜ら不思議!ほどよくトロッとしたゆずジャムに生まれ変わったじゃないの。結局、4回もジャムを作り、知人におすそ分けし、予定通り柚子湯に入り、そばとお正月の紅白なますを彩って、全て使い切った。
手元のジャムは冷凍庫で眠っている。週に何度も食べているから、次の秋まで持たないかもしれない。今度の秋のはじめには柚子胡椒も作られなくっちゃだし、またまた大豊作ならジャムもアリだな。大バカだけど美味しい柚子が2022年も豊作でありますように!
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