初めての転職〜モテ期到来?〜⑥
めでたくTと付き合うことになった
もちろん職場では隠すこともなく、すぐにそのことは広まった
もちろん次のデートでは…
なんて野望?を密かに持っていた
そんな中、2度目のデートが決まった
仕事が早く終わる日、待ち合わせをして横浜へ…
以前の会社の先輩に連れて行ってもらった
横浜スタジアムの近くにある焼肉屋に入る
ここは、地元の人しか来ないようなちょっと小さなお店…店に入ると「え?誰?」みたいな目で
見られるので少しハードルが高いかな…
席はテーブルてカウンターで20人も入れないような広さ
席に着くと1人ずつに小さな七輪が…
そうここは無縁ロースターとかではなく、各各々が七輪で焼くスタイルなのだ
だからお店の中は煙がすごい…
そういうところが何か良くて連れてきたのだ
Tも喜んでくれて、心の中でガッツポーズをした
調子に乗って、幼稚園から社会人のレベルがあるここの名物「地獄豆腐」の大学生を頼んで大変なことになったのはご愛嬌…
お店を出て少し歩いて横浜スタジアムのある横浜公園のベンチに座った
そこで色々話をするうちに、好きっていう感情が込み上げてきてしまう…
「Tちゃん、結婚しよう!」
「え?」
Tは目が点になったように驚いた顔をする
本当に「え?」である
一体何を言っているのか…まだ2回目のデートだよ!?頭どうかしたの?大丈夫?
しかし、そのときは素直にそう思い、そう伝えただけだった…
今考えると、やっぱりちょっと変?
そしてここで思い出す…
今日の決意?野望?を…
Tと話をしながら公園の時計に目をやる…
作戦開始である!
終電の時間が近づき、Tもなんとなく時間を気にするような素振りをみせる
俺は次々と話をTに振り、時間を気にする余裕を与えなかった
もちろん終電の時間は把握済みである
そして…
「ヤバい、終電終わっちゃったよー」
あたかも今、気づいたようにTに言った
内心は作戦成功で喜んでいたのだが…
「うそー本当だ、話込んじゃったよね、どうしよう」
第一段階成功…俺は策士?であって彼氏である
「さあ、次だ…」
「どうしよっか?とりあえず電車で行けるとこまで行こうか」
え?なんで?と思われるかもしれない…が、
これも作戦である
相手にとにかく家の近くまで連れていくことで安心感を持ってもらう…もちろん家までは帰れないのだが…悪い男である
「そうだね、行こうか」
完全に誠実な彼氏…そう思われたと思う
基本的に誠実な性格(自分で言うのもなんなんだが)なのだが…この日だけは…策士なのである
電車で帰れた場所は…蒲田
(また蒲田かい!)
ここまできたら迷ってもしょうがない…
「どこかに泊まってく?」
勇気を出してTに言った
少し間があったあと
「うん」
Tは頷く…
野望からの作戦…からの決断力と勇気の勝利であった
そこから泊まれる場所を探すのに少し時間が掛かったが、無事に見つかり…
2人は幸せな夜を過ごしましたとさ…
その後2人の恋は加速していく
⑦に続く…