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すれ違う2人〜忍び寄る誘惑〜①

自由が丘に住んでしばらくは平穏な日々が続いた

仕事も順調で、初めてTVにも出させて頂いた
ある戦略である商品が有名になり、わざわざレポーターが買いに来るという…設定である

きちんと台本なるものがあったのだ

まずオープン前にレポーターがお店の近くからお店までやって来る
もちろんまだお店は開いていない…
さあ、オープン時間、店長の登場だ

「お待たせ致しました、いらっしゃいませ!」

そこでその商品があるショーケースに向かう
端から見ていくが、その商品だけが無い…
この時、裏では自分がその商品を持って待機中…
スタッフの指示でお店に入っていく

「いらっしゃいませ!お待たせしました!」

いやーヤラセ感満載でしたー
実際こんな事、ないからね笑

「これってどうやって作ってるんですか?」
「よろしければ、お見せしましょうか?」
「ホントですか?ぜひー」

こんなやり取りをして、厨房に場面が切り替わる
いやーTVですねー

その後マイク付けて説明しながら作って2時間弱…
ところが結果…放送10分?15分?厨房での音声無し!
TVと編集の怖さを思い知った出来事でした…

この職場では飲み会もちょくちょくあり、皆んな仲良くいい雰囲気だった

そんな中、1人他の人とは違って妙に仲良くなった子がいた…それがHだった
休憩中や飲み会とかで、話すうちにHが自分に気があることに気づいたしまった…
いやいや、自分にはTがいるし、そもそもそんなにモテる筈が無い!この職場でTと会う前に同じ職場のKを好きになってご飯食べて飯田橋のホームで告白して振られたこともあるのに…

それでもHはグイグイ来るのだ
自分に相手がいても構わないというのだ…

ここで完全に違う方向に舵をきってしまう…
このところTとも何となく会話も少なくなってきていた
時間もすれ違いが多くなっていて…

そしてHと内密に会うようになる…
仕事終わり、休みの日…気付けば自分も好きになっていたかもしれない…
こんなことを言うのも何なんだが、そうなると身体の関係もあり…

だが、女性の勘は恐ろしいもので…
しばらくしてすぐに怪しまれることになる

ある朝、起きるとTが目の前に…

「何?この手紙…」

ちょっと前にHから貰った手紙を自分の鞄の中から見つけたのだ
完全にバレた…
自分が仕事があるので、話は帰ってからということになった

後から聞いた話だが、実はこの日の昼間Tは自分が寝ている間に携帯でHの電話番号を見てHに電話をして会っていたのである
その時HはTに

「絶対に貴女には渡さないから!」

と言われたらしい…
今思うと、そこまで愛されてたんだなと…

話し合いの結果、Hとは別れることになった
その後Hはこの職場を退職したが、Hのお願いもあり、仕事の相談はメールでたまにしていたが…

まあ、こんなことがあったらTとの関係は完全には戻らない
表面上は仲良くしていたが、やはりどこか距離がある感じは仕方のないことなのだろうか…

ちょうどその頃、この職場での仕事に限界を感じ新しい職場を求めて退職を決意していた

この退職と次の職場で更にさまざまなことが起こることになるのだが…
人生最大のモテ期がすぐそこまで迫っていた…

②へ続く…

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