モノ雑誌元編集長的迷った時のモノ選びについて。
モノ雑誌の編集という仕事柄「〇〇を買うならどのメーカーの製品がいいですか」と、尋ねられることがしばしばあります。そんな時のわたしの答えはたいがい決まっています。「まず色を決めて選ぶのはどうでしょう」。特にキッチンまわりなど、置き場所、使用場所が特定されて目につきやすいもの、逐次買い替え、買い増しのあるものは、ある程度メーカーがばらついたとしても、色を整えておけばどうにでも整うからです。メーカーやブランドからモノ選びの筋を通せればなおいいのは間違いありませんが、必要なものすべてをワンブランドで揃えることは難しいでしょう。なにより「迷ったら白」など決めておけば買う手間がかかりませんし、簡単にスペースの統一感が出せます。はたまたキッチンの調理関連ギアだけは好みの赤色で、など差し色を統一しておけば、リビングとは区別された固有空間としての演出もできましょう。括って言うともの選びは、個々の製品単位ではなく、製品群のひとつとして捉えれば、これは安牌です。逆に様々な色やデザインを見定め、見極めて、それらを製品群として一本の横串で貫くには、相当の選択的感性を必要とするでしょう。そういったわけですから、製品個々のフォルムや色使いに惚れて常にバラバラの買い物をしてしまいがちなわたしは、迷ったら白、はたまた、迷ったら無印良品、を貫いています。