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会話劇

 YくんSくんTさん、3人は小学校で同じクラスになった。Tさんは3人で取り組める事を探していた。3人の望みを叶える事が一番いいと思っていたのでYくんが演劇サークルに熱中していると聞いて一緒にできないかと想っていた。Yくんが学外で頑張っているのを見て言い出せずにいた。
 Sくんは文章を書くのが好きだった。小学校3年生の時には簡単な舞台の本を書けるようになっていた。TさんはSくんに次の作品が書けたら読ませてよと声をかけたけどSくんは自分で書いたものをTさんに見せる勇気をもてずにいた。
 YくんもSくんに声をかけた。Yくんは舞台経験も豊富だし主演で演じることもたくさんあったのでおもしろいものなら演じるよとSくんに期待していた。Sくんも男同士なら気も楽だし次に書こうとしているものが独裁者の話だったので男性の声を聞きたかった。

 TさんはSくんに3人で舞台を演じる脚本を書いて欲しい。Sくんに会話劇で女性を主役にして欲しい事、観客の目を入れて欲しい事、Yくんをびっくりさせる事この3つを実現できる本を夏休み前までに書いてTさんに見せる事を求めた。
 TさんはYくんに観客をだましてお金をぬすまないか?って声をかけた。学外でボランティアをするよりずっと楽しいものになるし大人のふりをするから芸能界から声がかかるよって誘った。

 Sくんは女性を主役と聞いてファーストレディーにしようと思った。ファーストレディーの言葉で記憶に残っているものでメラニア夫人がトランプ大統領の言動に絶望したと言ってトランプの失敗を助けたことを思い出した。独裁者の暴挙から国を救うファーストレディーの発言がTさんにはピッタリだと思った。
 観客の目って周囲をみわたすより主役に熱中するものがいいと思った。YくんとTさんのW主演でSくんがYくんを熱中して見ているのがいいと思った。Sくんは報道官がいいと思う。これで3人の配役が決まった。Yくんは大統領でTさんはファーストレディー、Sくんは報道官を演じさせようと想った。STORYは戦争の話で世界はプーチン世界を描こうと思った。Yくんの側に女の子を3人居てもらってプレイボーイになれるよってびっくりさせることも忘れなかった。

 Tさんは服装にこだわりたかったのでYくんにスタイリストを呼んでもらって本が仕上がる前に衣装を選んだ。小学校の先生にも舞台を作るからクラスの子に見て欲しい事を伝え練習ができる場所と時間を決めて舞台を公開する日時を先生と共有したかった。   
 YくんはTさんにお金を盗む話は?って聞くとTさんはどうやってだますか?って話よねって言うとTさんはYくんにとびきりの嘘を考えてよって伝えた。
 Yくんは3人ともプロの舞台経験があって芸能事務所に所属していることにしよう。秋にデビューが決まっていると言うとお客さんも興味がわくからってTさんに話した。YくんはSくんに本はまだ完成しないの?Yくんも確認しないといけないプロが演じるものだから素晴らしいものにしないとと言った。

 Sくんはなぜプーチンが戦争を始めたか?考えていた。ロシア人を救うためというのは嘘だ。プーチンが大国の指導者である、他人を殺さないと自分が殺されてしまう、国民にわからない孤独があるのは事実だ。ファーストレディーが戦争をする大統領になんて言葉をかけるか?国民にどう説明するのか気になった。ロシアを救わなければならない。孤立した自国を国際社会と共にある、テロ国家でない事、ウクライナの国民を愛しているメッセージを伝える必要がある。報道官は大統領の想いを国民に伝えなければならない。正確な情報がフェイクニュースと戦う。本当の戦いである。戦争の中、国民が信頼できる情報は少ない。
 3人の会話劇はプーチンの言葉で戦争が始まり、メラニアの言葉で孤立が終わり、報道官の言葉で国民は国を信頼する、戦争が終わるまでのSTORYだ。Sくんはそんな話を書いた。Tさんはかっこつけてもしょうがない、面白くないよ。ちょっと真面目すぎ、ユーモアって大切よ、笑いは重要。あーまじめすぎるよ!っていうのでSくんはプーチンはプレイボーイ、メラニアはパティシエに憧れている、報道官はメジャーリーガーが好きなことにしようとTさんに言った。Tさんは女性が甘いものが好きってベタよねって言った。

 本を書くと3人はすぐセッションした。3人の言葉を大切にしたので理解は早かった。すぐに姿が決まった、いつも表現しているリアルな日常が舞台の上にあった。演じるところをビデオで撮って3人の気になるところを発言しあった。Yくんは抜群にうまかった。Tさんは衣装が着たくてたまらない、Sくんはプーチンの孤独を表現できる言葉を探していた、夢中だった、素晴らしいものにしたいと想った。Tさんはお客さんをだませるか?気にしていた、お客さんを夢中にさせるものが欲しかった。Yくんは3人の中で1番目立ちたかった、Yくんが舞台の上ですぐ目がとまる様にしたかった。
 舞台は学年全体が見てくれる様に先生達も協力してくれた。3人は短期間で公開した。Tさんはスピード感が大切舞台に勢いが生まれると話した。初めてセッションしてから1ヶ月後には舞台の上に立っていた。3人の処女作品になった。反響は十分で、Yくんがついた嘘の秋のデビューの話がなんどもあがった。Yくんは秋には追加公演するからって丁寧に説明した。Tさんはマスコミから取材来ないかしら?Sくんに本を書いたのはあなただから音楽の先生に聞いてみなよと話した。SくんはSくんの書いた本が舞台になるだけで嬉しかった、Tさんが舞台に満足しているか気になった。

 Tさんはもっとまともな組織を作らないと他人は騙せないわねとYくんと話した。Yくんは僕が一番目立っていただろ?とTさんに言うとTさんは私達と変わらないじゃないでも素敵だったよとYくんを褒めた。Sくんにもご苦労様。Sくんと仕事ができて楽しかったわと呟いた。SくんはありがとうとYくんとTさんに頭を下げた。SくんはなぜかTさんの側を離れたくなかった。

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