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【日記&悔悟録】⑥検査から1ヶ月後に「もの忘れ検査説明書」をもらった話


こんにちは。
今日も、ご家族の介護、おつかれさまです。

リラックスの時間も、ちゃんと持っていますか。




[日記]2012年8月20日(月)記す

N病院で母のもの忘れ検査の結果を聞く。
今できること、すべきことをまとめると、
薬を飲みつつ、
カウンセリングを続け、
様子を見ること。
1年に1回、検査を受け、進行具合を確かめること。


◉振り返り


グレーな段階であるとの検査結果に
この先の道のりの長さを感じる


認知症が始まっているかもしれないということは、
なんとなく予想はしていたので、
結果がわかった時、それほど大きなショックはありませんでした。

むしろ、まるごと引き受けてやらなくちゃとか、
自分なら立ち向かっていけるはずとか、
変にやる気を出していたように思います。

さて、その日、病院で渡されたのは、「もの忘れ検査説明書」。
検査数値やコメント、アドバイスなどがぎっしりと書かれていました。
もの忘れ検査って、どこまで調べてくれるんだろう、
どこまでわかるんだろうとお思いの方の参考になればと思い、
できる範囲で記してみます(数値は一部のみ記載)。


【神経診察】
認知症に関して特記すべき異常ありません。

【脳画像/生理検査】
頭部MRIでは古い脳梗塞と脳萎縮は認めますが、新しい脳梗塞は認めませんでした。脳血流検査上も、アルツハイマー病として、典型的ではありませんが、可能性を完全に否定はできません。

【血液検査】
ビタミン欠乏、脂質異常症を認めます。

【心理検査】
MMSE 23点(認知機能検査:30点満点)
FAB  10点(前頭葉機能検査:18点満点)
認知症ではありませんが、もの忘れはみられます。気分障害もあります。

【自律神経検査】
心シンチ上は、レビー小体病を疑う所見はみられませんでした。

【総合判定】
現在の状態は軽度認知障害(認知症まではないが、もの忘れが目立つ状態)です。ビタミン欠乏や気分障害の影響が疑われます。脳画像検査、自律神経検査上は、古い脳梗塞や脳萎縮もあります。また、アルツハイマー病は典型的ではないですが、完全に否定できるものではなく、経過観察が必要です。認知症の予防をお勧めします。今後も、年に一度は「もの忘れ」評価をお勧めいたします。



限りなくグレーという感じですね。
認知症ではないけど、
アルツハイマー病を完全に否定できるものではないって、
どっち?
断言する難しさ、なんでしょう。
とにかく境界線にまたがっている状態ということだろうと思います。

それから、「認知症の予防をお勧めします」と言われても、
それが何を指しているのかも、わかりません。
薬をきちんと服用してくださいね、なのか、
自治体などが開催している予防教室に参加しましょう、なのか、
周囲の人たちがしっかり見守ってくださいね、なのか…。
という、家族の気持ちを察してか、
この検査説明書には、ちゃんと「心理学コメント」の欄もあります。


コメント欄こそじっくり読み込むこと。
そして、できることに目を向ける。


心理学コメントは、生活上の参考になるようにと、
臨床心理士さんが家族に向けて書いてくれるものです。
(単身者なら、もちろん本人が読むことになります。)

このコメントがとても役立ちましたし、
心強くもあったので、できる範囲で転記してみます。


時間の感覚が少し弱くなっているのと、
全体的に目の前のことに対する注意深さが少なくなっています。
何をするにも、何となくぼんやりした状態でやっていることが多く、
集中が不足している分、
ものおぼえも悪くなりがちです(ただ、これは耳の問題もあってうまく聞き取れていない場合も多いでしょう)。

ちょっとした失敗をしやすかったり、
何か他に気を取られてそれまでやっていたことが
中途半端なまま途切れてしまったりと、
「作業を適切に実行する・終わらせる」ことが以前よりも難しくなっています。
思考力・理解力そのものが落ちていて、
状況を判断したり、それに応じた行動がうまく取れなくなっているようです。

これらの状態は、昨年のショックな出来事で
気分が塞いだままでいることも影響しているでしょうが、
おそらくそれ以前から少しずつ起きてきているものでしょう。
臨機応変さが求められることや、
工程が少し複雑な作業などでは、周りの方がよく見守り、
必要に応じて手助けしてあげて下さい。

普段の声かけや関わり方も、少しゆっくりめにペースを落とすことが大事です。
気分転換がうまく出来るように、
人と関わる機会は定期的に保つようにしましょう。
機能の低下を防いでくれる効果もあります。



記入スペースいっぱいに、本当に仔細に書いてくれたので、
今の母がどんな状態なのかを、客観的に把握することができました。

機能が低下していること、出来にくくなっていることなどが
たくさん書いてあるので、家族としては残念さなどの
ネガティブな気持ちが起こりますが、
「これならできる」「こうすればしやすくなる」
という視点で読むのがいいようです。

ポジティブな視点で読むと、
何をしようか、いろいろと考えることができます。
もともと、友達が多い母なので、
私は、近所・遠方問わず、
母の会いたい人に会いに行くということを
積極的におこないました。
これはけっこう、先方も喜んでくれて、
女学校時代の思い出話などを何時間も楽しんでいました。

一方で、もう少しできたなぁと思うのは、
「いま、何がしたいか」を最初に聞くこと。
これをけっこう疎かにしていたように思います。

こちらが良かれと思って作業を提案したり、
出かける計画を立てても、
本人から湧き出た思いでなければ、
結局、押し付けになってしまいます。

コメントの欄をゆっくり読み込み、
どんなかかわりをしていくか。
この、初期の時点で考えることは本当に大事だと、今、思います。

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