メンタルモデルに関する考察

人の成長において、メンタルモデルやマインド、バイアス周りが重要だと思いつつも、これまで整理できていなかったので、今回時間を取って整理してみました。


メンタルモデルと現実世界について

我々は、現実世界をそのまま見ることはできない、と言われています。

基本的には、メンタルモデル(自身の内側で語られる現実のモデル)によって、現実を知覚している

メンタルモデルで知覚した上で、意識的に解釈・思考をした上で、判断していく、という流れになると思っています。

ざっくりとした関係性のイメージを整理してみました。

メンタルモデルの形成に影響する因子

影響因子①認知のクセ

人には様々なものの影響で、現実世界をそのまま認知するのが難しくなってしまいます。特に影響が大きい3つは「システム1, 2」と「五感」「時間感覚」です。

【①-1. システム1, 2】
2つのシステムは同時に動き、複雑に連動していますが、どちらかが優位に働いています。優位なシステムによって、認知の仕方が変わってきます。

システム1がファストで、システム2がスローなのですが、システム2を優位に働かせることで、無意識的に歪んだ解釈するのを防ぐことができます。
ファスト&スローに詳しく書いてあります。

<システム1が現れがちな時>
・モチベーションが低い時
・ウィルパワー(気力・意志の力)がない時
・疲れている時
・時間がない時
・情報量・選択肢が多い時
・情報が簡単で見慣れすぎている時

システム1を制御することが重要で、対策としては下記が上げられます。
・意識すること
・非流暢性(引っかかり)を活用すること

【①-2. 五感(身体的認知)】
脳と身体は繋がっていて「身体的認知」というものがあります。五感の刺激によって、認知が変わってきます。
五感の中でも特に「視覚」が一番影響を与えます。

【①-3. 時間感覚(時間認知)】
3つ目は時間です。時間の変化、あるいは時間の概念によって、歪んで見えてしまいます。


影響因子②感情

現実世界を認知するときに、その時々の感情が大きく影響してきます。感情にも種類があって、特にアフェクトと呼ばれる淡い感情を認識しておくことが大事です。

②-1. アフェクト(淡い感情)
ほんの一瞬過ぎる微妙な感情のこと、無意識的な感情のことで、
アフェクトの方が頻繁に抱く感情で、ディスクリートエモーション(喜怒哀楽のようなはっきりとした感情)よりも、人の判断に影響します。

ポジティブ・アフェクトの例
・例)晴天で気持ちが良いと思えばポジティブになる
・例)分析的な仕事をしている最中にお願い事をすると聞いてもらえる可能性は低い
・例)ポジティブな投稿を見るだけでポジティブになりやすい

ネガティブ・アフェクトの例
例)脳の中の小さな不安や不満

<ポジティブ・アフェクトの効果「拡張-形成理論」>
ポジティブな感情は視野や思考の幅を広げます。ストレスによる身体と心の不調を整えてくれます。さらには打たれ強くなりレジリエンスもつき、その結果、活動の幅が広がっていきます。

ネガティブ・アフェクトは頑張って乗り越える、または、比較対象を他人ではなく過去の自分とするなどして、対処していくことが大事です。

参考:ビジネスエリートとは、アフェクトに敏感で意図的かつ有効に使っている(メタ認知ができている)

・例)楽しかった家族旅行の写真を仕事場のデスクに飾る
・例)いいイメージを思い浮かべていい気分になる、結果クリエイティビティを上げる
・例)ストレスの多い会議の後、温かい飲み物をのんでホッとする

②-2. 感情のマーカー
これまでの人生で蓄積した微々たる感情のマーカーが、アフェクトを作っている


影響因子③周りの環境

メンタルモデルに影響する因子の3つ目は周りの環境です。
周りにある情報や状況が、現実世界の認知に大きく影響を与えてきます。自分だけではなく、周りの環境の影響も理解できるようになると、より正確に現実を認知できるようになっていきます。


影響因子に影響するもの

ベース①マインド

どういう思いを抱いているか、どういう意識で考えているかという「思い・意識」や、自分自身がどういった価値観を持っているかという「価値観」などを指しています。

マインドは、システム1,2や感情の動きに影響を与えるため、成熟すればするほど、現実世界の認知も変わってくる印象です。


ベース②コンディション

コンディションも、2つのモード(システム1≒デフォルトモード、システム2≒マニュアルモード)のどちらが優位か、というのに大きく影響します。これらの優位性を「Kファクター」で表すようなのですが、Kファクターが高ければマニュアルモード優位を表します。

デフォルトでKファクターが高い人かどうか、というのはあるものの、コンディションによってKファクターも変動します。

私がコンディションとして考えているのは、4つのエネルギー(精神、身体、情動、頭脳)の状態で、4つのエネルギーをマネジメントし高いエネルギー状態を維持することが、大事だと思っています。
※詳しくはジムレーヤー著「メンタルタフネス・4つのエネルギー管理術」を読んでください。


ベース③知識・知見

事象に対してどれだけ前提知識を持っているか、経験を通してどれだけ深く理解できているか、ということも認知のクセや感情に大きく影響を与えます。

詳しく知っていれば知っているほど、現実世界の認知もより解像度が高く、より正確になっていきます。

今後何を大事にしていくか

仕事は問題の種類やレベルを度外視して考えると、問題解決の連続である、と考えられると思っています。自分で仕事を作る、新しいサービスを始めるなども、抽象化すれば同じかなと思っています。

問題解決は基本、正しく現実・現状を把握していくことから始まっていくと考えていまして、
そのため、このメンタルモデルの解像度を上げ、自身のメンタルモデルをより現実に近づけることができれば、成果も出しやすくなっていくと思っています。

結局、必要なこととしては、シンプルで下記の2つになるのかな、と思っています。
①自己投資や挑戦、経験による知識・知見の蓄積、マインドのアップデート
②セルフマネジメント、コンディション管理


これまで以上に意識的に行いつつ、今後は定期的にnoteで情報発信することで、知識・知見のアップデートを実現していきたいと思います。

参考文献


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shun
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