発刊順:12 牧師館の殺人
発刊順:12(1930年) 牧師館の殺人/田村隆一訳
ミス・マープルがここにきてようやく登場。
とはいえ、初マープルものの語りは牧師さんで、マープルは村の噂好きでなんでも知っている一老嬢という立ち位置で、出番も少な目なのでそれほど存在感はない。
牧師さんの、心の中でいろいろツッコミを入れるところは、クリスティーお得意のユーモアが発揮されていて笑えます。
また、この牧師さん、人をいろいろと観察もしていて、登場人物の一人であるレストレインジ夫人について、
とある。
スフィンクスのような…なんて、とてもクリスティーらしい描写だ。
この頃には、マローワン氏と出会って再婚するあたりなので、
中東やエジプトに関するワードが出てくるのだなぁ。
牧師は語る。
その他にも、いやらしいほど、しかもほんとうに意味もなく不作法なスラック警部とのやりとりとか、随所に面白い箇所があって、コメディタッチなミステリを楽しんで書いたのでは…と思ったら、
そうなの?
記憶がまったくないなんて…。
最初は「ミス・マープル」というキャラを主役にするつもりはまったくなくて、たまたま読者の反応が良く、後々シリーズ化されたのでしょうか。
後にはポアロよりもマープルの方に愛着を感じていたそうです。
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