発刊順:19 エッジウェア卿の死
発刊順:19(1933年) エッジウェア卿の死/福島正実訳
ポアロ曰く、この事件は彼の失敗作のひとつであるため、事件解決にポアロの名を出すことはしなかった。
後日、ヘイスティングズの手記により公表されるというスタイル。
なぜ失敗したのか。
ポアロほどの頭脳であっても、騙されるのだ。
前作の「邪悪の家」と似たようなある状況下において…。
ポアロが事件に関与している面前で第2、第3の犯行を重ねる犯人の度胸がすごいです。
ただ、前作でポアロが語るとおり、殺人を犯すのは「署名をするようなもの」なので、繰り返すごとに綻びが出てきて、ポアロの間違いが大きく修正されるのだ。
殺害の動機は利己的だけれども、この犯人ならば…と思わせる。
「真相」まで、犯人誰?って思ってた。
再読ですが、初めて読んだ気分です。
ポアロは、自分にはないヘイスティングズの「ノーマルな人間性」や、普通の人が感じる反応を頼りにしているんだよ~っと語る。
ヘイスティングズは、ちぇっ、ばかにして…とか思うけど。